天下無敵の敗北 (ページ15)

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十五話ページ15

まず、一枚目。

「【栗山将太】……栗山くんだ！」

栗山くんの名前が上がると、部室には大きな歓喜の声が響いた。やっぱり入ってくれたんだ！
僕たちの心は舞い上がる。

「次、次行くよ！えーっと、【神楽坂弓弦】」

一瞬間を空けて、僕たちは首を傾けた。
神楽坂という名前、何かで聞いたことがある。
頭を悩ませていると、一緒に頭を抱えていた二年の鈴木が手を叩いてスッキリした顔で言った。

「あ！あれです！和菓子の神楽坂！」

「あぁ！そうそう」

和菓子の神楽坂。世界中で知られた有名な会社。京都に本社があって、日本国内はもちろん、世界のあらゆる街にその店を構える。世界で五本の指に入るほどの大企業だ。
確か、その一人息子の名前も弓弦だった気がする。

「うぉぉ……マジか！」

「今年はビッグな新入生ばっかりだな！」

僕たちのテンションは最高潮に達した。これなら、次の人も……！
僕たちはワクワクしながら三枚目を開封した。

「最後！【春夏秋冬(ひととせ)悠人】」

名字が珍しい。読み仮名書いてくれなきゃ読めなかった。この子も、何か有名なのかな？そんな期待とは裏腹に、情報通の二年、鶴野から出た言葉は全くもっていいものじゃなかった。