【名探偵コナン】探偵の兄貴がうるさい【男主】

八話 ページ10

「あれ？兄さんは？」

「新ちゃん……それがどこにもいなくて！」


兄さんが消えたのは俺が入学式に行った時間帯。行く前まではいたし、その時間だったのには間違いない。
最初こそどこかに出かけたのだろうって思ってたけど、それから何日、何週間経っても帰って来なかった。母さんは警察に届け出た方がいいと言ったが、父さんはしなくていいと言い、そのまま二人はロサンゼルスに行ってしまった。


「Aさん、いなくなったの？」

「まーな。まぁ放っておけばいいさ。その内帰ってくるだろうし」

「か、帰って来なかったら！」

「え？」

「帰って来なかったらどうするの！？私、まだAさんにお礼も何もできてないのに！」


おかしな話。泣き崩れたのは蘭だった。そこで初めて兄さんを恨んだ。幼馴染みを泣かせてどこで油を売ってるんだか。次に会ったら殴ってやる。顔面が潰れるくらいにな！

そう胸に誓ったけど、兄さんはやっぱり帰ってくることもなく、音信不通。挙句の果てには死んだという噂まで流れた。


「あのクソ兄貴！どこにいんだよ！！」

「新一！イライラしても仕方ないよ。それに、いつか会えるから！三人揃ったら、キャンプにでも行きたいなぁ」


蘭の笑顔を見て、俺も冷静でいなきゃと思った。本当にまた会えるなら、目一杯説教して、おかえりって言ってやることも必要だな、なんて。
なのに、次は俺。まさか体を小さくされるなんてな。蘭には本当に申し訳ない。
けど、体が戻ったら絶対に三人で__________

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