【APヘタリア】解散寸前のアイドルのプロデューサー (ページ12)

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十一話ページ12

窓から光が差し込む。椅子に座ったまま動かない学園長はその光を背中から浴びて、顔は影になっていた。
立ち上がり窓に手を着くと、外で走り回るアイドルの生徒たちを見下ろしていた。

「……大丈夫。今度こそ上手くやります。やらなければならないのです」

脳裏によぎるのは、少し前に活動させていたアイランドルのこと。完璧だと思っていた。だけど、彼らは不完全だった。
やはり相性の悪い二人を何とかするなんて、無理だったのだ。

「乱闘をするなどどういうつもりですか！」

「うっせーよ学園長」

耳を塞いで迷惑そうにするアーサー。その隣には興味なさそうにそっぽを向いているキク。本当に興味がないようだ。

「んでそんなにこだわるんだよ。俺らさ、別にやりたくてやってるんじゃねぇんだぞ？テメェが勝手にやってんだよ。
こんな奴とアイドルとして活動するとか本気で虫酸がはしんだよ」

「それはこちらの台詞です。下衆の分際で私と同じ舞台に立とうなどおめでたい頭をしています」

「誰がテメェみたいなクソと同じ舞台で立ってるなんて言ったんだよ。あ”？テメェはいつでも養豚場で歌ってんだろ」

彼らはそのまま止まることなくお互いを罵倒し合っていた。確かに彼らにはアイドルは向いていない。学園長はそう判断すると、彼らの解散を発表した。
最後に彼らが学園長に言った言葉は_______

「アーサーをアイドルコースとやらにぶっこむのは構わねぇけどよぉ……顔に傷ひとつでもつけてみろ。テメェを完膚なきまでぶっ潰してやるよ」

「ふん。珍しく気があいますね。反吐が出ます。学園長。菊を雑に扱ったら私もあなたに容赦はしませんので」

それがこの学園での最後の二人だった。