・ ページ9
彼に報告すれば抱きしめられるような感触と嬉しそうな雰囲気が伝わってきた。更に嬉しいことに、調べた結果ある情報にたどり着いた。この北東の方角にある山に存在する二輪の華。
赤か青。
そのどちらか二輪を潰して口に含めば透明化はとける。しかしどちらかが死にたらしめるほどの猛毒なのだ。もはや一種のギャンブルのような不確かで不明瞭な情報。しかし生まれてくる子供のためにも父親はいたほうがいい。必要なのは愛となにかの広告のキャッチコピーのようなものが最後に綴られていた。
〈行こう〉
その日、下準備をすませ山へと向かった。サービスエリアで食事をし、彼にコーヒーを持っていこうと車へ戻る途中男とぶつかった。その衝撃で男の持っていた野菜ジュースが服にかかった。男は気もとめず去っていき不快感のみを植え付けられた。
数時間走らせれば、目的の場所へ到着し車を停める。手をつなぎながらおりて山道を登った。安定のしない道をおぼつかない足取りで進む。
『ついた』
はぁ、と肩で息をしながらあたりを見渡す。しかし目的のものが見つからない。しかし視界の端に二色の色が見えた。燃えるような血の色をした赤と真っ青な色。しかし崖の下。危険な橋だったが手を伸ばしてとることを選択した。
小柄な私が。
彼はしっかりと体を支えてくれている。だから少しぐらい怖くない。
大丈夫。
手を伸ばす。
あと、
あと数センチ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
