マホウショウジョ ページ30
「ありがとう！ありがとう魔法少女！」
歓声が湧き上がり、救出された人々が口々に感謝の言葉を述べる。その言葉ににっこりと微笑んでふるふるとステッキをふる。きゅるりとしたガーリーでキュートでたくさんのフリルがふんだんにあしらわれたドレスを着て善良な市民を守るために毎日毎日過ごしている。にこりと可愛らしく微笑む笑顔の裏側には誰かに認められたくてしかない汚くてドロドロとした承認欲求の塊がうずまき精神を蝕みつつある。そんなきたないマホウショウジョらしからぬ感情に無理やり蓋をして活動をする。
「みんなも気をつけるんだよ！」
そう言ってその場から離れステッキを一振りして元の姿に戻ろうとしたがふと刺すような視線を感じて動きを止めた。誰？と暗闇に問いかければ困ったような顔をしたマホウショウジョで仲間の一人のピンクが現れた。彼女は髪をツインテールにしていて顔を隠して戦っている珍しい戦士の一人。その子の姿を認識してようやくAは警戒を解いた。ピンクもステッキを一振りして元の姿へと戻る。つやつやの長い黒髪に袴といういかにも和な服装に身を包んでいた。その日はカフェで雑談して家へ帰宅した。
なんだかその日から居心地の悪いものを覚えるようになった
ふ、とベットで寝転んでいるとき本を読んでいるとき友達と談笑しているとき。敵を倒すとき。なにやら見られているような気がして自分のやりたいことに勤しめないのだ。外にいるときは必ずピンクがいたりする。パープルがピンクには近づかないほうがいいと忠告をしてきた。でも優しくて儚げなあのこを知ってしまったら近づかない、という選択肢はできなかった。そればかりか忠告してくれたパープルや仲間を遠ざけ話すら耳に入れようとしなかった。
パープルの言う通りだった。
私が選択を誤った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
