リセット 【ci】 ページ3
▷モブいます
「先輩、可愛いですね」
「ぁあ、にてるだろ？このストラップ。あいつからもらったんだ」
瓶底眼鏡をした男子生徒が、先輩に話しかけスマホについている小ぶりのストラップを指さした。スマホには、二人でとったてあろうプリクラがはりつけてある。先輩は気をよくしたようで、にこにこと微笑んで嬉しそうな表情を浮かべた。
「いいですね。羨ましいです」
「あ、やろうか？よぶんにもらってたし」
「え？本当にいいんですか？、返してっていわれても返せませんよ？」
「おまえにやるっていってんだからいいけど？」
何度も何度も問いかけてくる後輩に怪訝な顔をしたが男子生徒が、ごそごそと鞄を漁る。目的のものを掴み差しだそうと顔を上げたが、後輩─チーノの姿は忽然と消え失せていた。変な奴、と思いつつも彼女と帰るために、スマホを操作して電話をかけた。しかし繋がらず、落胆した表情を見せた。
次の日、
下駄箱で、ごった返すなか彼女の姿を見つけ駆け寄って声をかけようとした。隣にはチーノがおり仲むつまじく話をしていた。しかし距離が近い。こう、密着するような。彼女の頭には包帯が巻かれており少し血が滲んでいた。痛々しいその様子と、異質な組み合わせになんだかいやな予感がした。
「A」
「あ、先輩」
『伊藤くん？おはよう』
おかしい。
『ごめんね伊藤くんじゃあ。チーノいこうか』
「はぁい〜！」
チーノは大きな体を少し屈めて、Aに寄りかかるように腕を絡めた。語尾にハートがつきそうななほど甘ったるい声で反応しながら。
「ちょっと待てよ！なんだよその態度…どんな関係なんだよお前っ」
『何って』
聞きたくない
「彼氏ですよ？やだなぁせんぱい昨日言いましたよ？」
「え?本当にいいんですか?、返してっていわれても返せませんよ?」
「おまえにやるっていってんだからいいけど?」
あの会話が浮かぶ。
ニコと日溜まりのようなまぶしい笑顔。嘘偽りのないようなその表情に背筋が凍った。メガネの奥のオレンジ色の瞳が、伊藤を馬鹿にするようにゆうるりとゆがんだ。
「─────返してっていわれても返せませんし、何度も確認しました。
それでもいいって言ったの先輩ですよね！僕たち付き合ってるんで
じゃあ、さよなら」
──
後輩がさしていたのはプリクラにうつるAのこと。
一日で彼女が彼との記憶を忘れてしまうのも可笑しいがなによりも
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り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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