××おにーさん 【rbr】【正】 ページ14
闇の中を走る。彼女の綺麗な金髪が闇の中で光を受けて煌めく。
息も絶え絶えに壁に手をつき、座り込み頭を抱える。男の荒い息遣いと、気持ちの悪い脂汗。テカテカに光った顔面に、膨らんだビール腹。恐怖と気持ち悪さと、悪寒のトリプルコンボに値を上げてしまいごぽ、と腹の奥からそして喉へ。異物感がせり上がってくる。
ザリ。
ヒュッ、と喉をしめられ息ができなくなるような錯覚に見舞われ胸のあたりを押さえる。男の、くたびれたサンダルの音だ。ぁあ、嫌だ。死ね。死ねよ。脳内にぶちまけた暴言にぐにゃりと視界がゆがむ。
「はぁ、はァAどこだぁぁ！！でっでておいでぇ」
猫なで声が近くから聞こえて、恐怖から足がふるえる。蒼瞳がゆらゆらと揺れている。視界の端に、鮮明なピンクを見た。双眸はこちらを捉えており、まるで蛇にでも睨まれているかのようだった。ずるりと急に立ち上がったことにより滑り落ちるパーカーを必死に託しあげて、そのピンクへと走った。もうソレしか、目に入らなかった。
「ぁ？」
がしり、と黒スーツの腕に抱きついて震えながら顔を背けた。
カラン、とピアスが首を振るごとに揺れる。
「ふ、へははァ、誰だよォその男」
「ぁあ？」
ヤクでもキメたような定まりのない瞳孔と酩酊したような口調。きらりと鈍く光る出刃包丁を握りしめていた。黒い面部をした男は、Aを一瞥し、男を見た後ににやりと笑った。
『！』
ドン、と突き飛ばされ地面に尻餅をつく。
「────ガキ。下がれ邪魔や」
まばたき一つの間に、綺麗な足技で男の包丁を弾き飛ばした。
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り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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