地縛少年天乃くん ページ12
地縛少年天乃くん 【d!】
の短編
─────あらすじ
七不思議七番にひょんなことからお願いをしにいった早坂A。
好きな人との恋愛成就を願うものの、失敗続き。しかし縁結びの鱗を飲み込んでしまい大ピンチ！
そんなところを助けられ、対価として要求されたのは助手になることと己の体(労働力)だった。
────────
『トイレ掃除なんてイヤ……』
「テキパキ手を動かせー」
箒を片手に、しくしくと泣きはじめたAのまわりをふよふよと浮きながら人ならざるものはケラケラと笑った。きっ、と彼をにらみつけてからうつむいて涙をこぼした。彼とはこの学園にすまう七不思議のトイレの花子さん。しかしなぜ女子トイレにいるかは不明である。薄桃の瞳に一昔前の学生帽と学生服。頬には天、とかかれたお札が張り付けてある。
『きょ、今日だけ！今日だけだから！！』
「あかん」
憎らしいほどの笑顔で却下されその場にぐずだおれる。授業が終わるなりトイレ掃除、掃除掃除掃除と気が狂いそうになる。
『今が花の盛りなのよ！デートなの！デート！』
「デート…！？」
心なしか花子さんの表情が固くなった。
『それもクラスで一番かっこいい塩谷くん。空き教室でランデブーしちゃったりして……』
「具体的になにするん？」
ふ、と表情が抜け落ちてよどんだ表情でAは喋る。
『空き教室で生徒会の書類をまとめるのよ……照れ屋なんだから、すぐいなくなっちゃうのよね…』
「ハヤサカは何とランデブーするつもりなん？紙？」
『い、今は都合のいい女でも、これから進展するのよ！…多分』
落ち込んだようにしゃがみこんだAの背後から、花子さんが近づいて抱きしめた。
「俺にすればええやん。そんな男よりもずーっとヤサシクするからさ」
後ろからバックハグを決められて、無駄に良い声で囁かれて不覚にもときめいた。顔が良い。や、やだ私顔がよければ人間じゃない人も好きになっちゃうの！？
『花子さんとつきあうぐらいなら一人寂しく書類整理の方がいい…』
「んふふ、ハヤサカ、エラ呼吸が恋しいんやな？わかった魚の餌と水槽もってくるわ」
(ちなみにAは水に触れると鱗が現れて酷いと魚になってしまうよ！)
『わ、わー！トイレ掃除楽しい〜！！』
───────
そんな非日常の物語。のぞいてみませんか？
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り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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