後ろの正面だぁれ 【rdo】 ページ2
「こんな時間になにしてるんだ」
『！』
黄昏時。神社に、スクールバックを投げおいて石畳に膝を抱えるように座り込んでいた。ふと背後から声がし、びくりと体を跳ね上がらせる。青色のニット帽をかぶって、動きやすそうなジャージを羽織った背の高い男だった。男の目は光がなく、真っ黒く濁った瞳をしていた。その闇の深さに、体の芯がぞくりとする。
『せんせい』
「うん？」
ぼろと頬から涙をこぼして、名前を噛みしめるように呼ぶ。せんせいと呼ばれた男は、(おそらく女子生徒なのだろう)少女の涙を袖で拭ってやる。
「辛いならここにいてもいいよ」
その言葉に、少女は顔を輝かせ一瞬で涙が止まる。嬉しそうな、表情に教師も微笑んだ。彼の黒く濁りきったその言葉が瞳が少女の気持ちを安らかなものにする。ただここにつなぎ止めておきたい。そばにいてほしいという猿山の自己中心的な考えであったが、Aがよろこんでいてくれるのだからいいのだ。
彼女を立ち上がらせて、しっかりと手を握りしめて繋いで二人は鳥居の向こうへと消えた。
『ｍａａかせ◆◆テ』
「Aっ、ごめん、ごめんなぁ、大丈夫か」
うなり声をあげ、苦しげにのたうち回る少女の姿があった。男子生徒が、抱きしめるように暴れる彼女を押さえようとする。彼の頬には幾筋のも引っかき傷がある。
「あっ…」
彼を足で蹴飛ばして、ふらりと立ち上がった。
「やめろや！！おいっ！！」
『！！！！！先生を殺しやがってッ許さナイ…！！お前ら全員殺シテやる！！！』
「正気にもどれぇっ！お願いやか、っ゛ぁあ！！」
鉈で切って、切って切った肉片を投げるように斬り伏せる。その瞳には光が宿っておらず殺意のみが彼女を支配していた。次の瞬間には笑みを浮かべていた。鬼が欲しがっていたのはその肉体。その反対に猿山が欲しかったのはA。
『アはハハ！！！！！』
「俺達ずっと一緒だな」
───
彼女の頭の中の状況と現実の状況が一致していることにお気づきだろうか。
猿山が連れて行ったのは彼女か。それともほんのわずかな鬼に対しての抵抗心か。
このような出来事が起こらないように願うばかりだ。
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り〜。 - ストーリーが毎回凄くて、短編で読みやすくて飽き性の私でもスラスラ読めました！！なぜ延びないのかとても不思議です。こんな凝った話を作るなら100大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (3月14日 9時) (
レス) @page27 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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