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オンボロ寮から出ると、先に出ていたクロウリーが寮の前に置いてあるベンチに座っていた
そして気が付いたのかクルリと此方に振り向く
「話とは何でしょう?」
『いくつか頼みがあるんだ』
「聞ける範囲内なら構いませんよ。私、優しいので」
そう告げた後、彼はトントンと自身の座る隣を叩いた
これは座れということなのだろうか?
まあ、それに断る理由もないので大人しく従い、一度息を吐いてから口を開く
『先程ユウが図書館で話した様に、私は鬼という者達と戦っている。雑用係として働くのは承知したが鍛錬も欠かさずにしたい』
『だが、此処で素振りをするとなるとユウ達が夜眠れないと思ってな。そこで要らない木材が欲しいのと、鍛錬場の様な場所を貸して欲しいんだが』
「木材はいつでも用意出来ますし、学園内も整備してくれるのなら好きに使用して頂いて構いませんが……ふぅむ、鍛錬場ですか」
いや、でも待てよ
鍛錬場があるとしても、そこは普段学生達が使うのではないか?そんな場所を傷付けでもすれば本来使用している学生達に申し訳ない
『鍛錬場じゃなくても鍛錬が出来て……少し壊れても構わない場所があれば、どんな場所でも問わない』
「そうですねえ……一つだけ思い当たる場所があります。長年使われていない物置小屋なんですが、そこならお好きにして頂いても構いませんよ。特別に魔法で色々と補強してさしあげましょう。あ!掃除はしてもらいますが」
『そ、そうか。ありがたい』
意外と直ぐに場所も見つかり、おまけに至れり尽くせりな返答に、何だか少し違和感を感じた
それでも使わせてもらうのは此方側なので気にしない様に無理矢理その違和感を一先ず心の奥へと仕舞い込む
『後は、この世界で人が食い殺される様な事があれば必ず教えて欲しい。鬼かどうか確かめる必要がある』
「ええ、ええ、判りました。ちゃんと確認してさしあげましょう。私、優しいので!」
『……こんな事を言うのも何だが先程まで色々渋ったりしていたのに、急に気前がいいな』
尋ねないでおこうと思ったのにも関わらず、矢張り気前が良すぎるのが気になり、つい私は口に出してしまった
「おや?そうですか?まあ少しばかり私も頼みたい事があったので丁度いいかと」
『さてはそれが本題だな?』
「ふふ。まぁ、聞いて下さい────」
*
『判った、引き受けよう』
「これでwin-winです。頼みましたよ、Aさん?」
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ゆり - ありがとうございます!これからもがんばってください!! (2020年8月20日 10時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - ゆりさん» ごめんなさい、書き方が拙くて上手く説明出来ていませんでしたね……; コメ欄で説明するには少し文字数が足りないので本編の方に解説載せます!そして嬉しいコメントありがとうございます、これからも頑張ります^^ (2020年8月20日 0時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 13ででてきたどうして作り話になるのか分からないので解説教えてください!いつも楽しみにしています!がんばってください! (2020年8月19日 22時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - ひめスカーレットさん» 此方こそコメント本当にありがとうございます、迚も嬉しいです。低評価に関しましては矢張り、自身の力不足だと思いますので精進します^^ (2020年8月1日 18時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
ひめスカーレット(プロフ) - 神作品ありがとうございます。低評価する人達は何考えているのでしょうこんなにいい作品なのに (2020年8月1日 12時) (レス) id: b3971a6534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒龍 | 作成日時:2020年3月28日 9時