Strawberry spy 【苺のスパイ団】

スパイと言っても ページ3

Aside


スパイだからといって四六時中休みなく動いてるわけではない


何かない限りは普通の人として過ごしているし


暇な時だって普通にある


私たちstrawberry spyはみんなで一緒に住んでるんだけど


そりゃ生きてくにはスパイとか関係なしにお金が必要だから


私は昼にバイトをしている


別に夜でもいいんだけどなーくん過保護だからさ


「夜は危ないからダメ」って


私だって一応ではあるがスパイだし


多少喧嘩は出来るのにね


な「A、バイト行かなくて大丈夫？」


もうこんな時間か


『行ってくるね！』


そう言うとみんなが「いってらっしゃーい！」って言ってくれる


愛されてるよね


これが仕事仲間として…スパイとしての家族じゃなかったら…


なんて


今更考えても意味ないのにね


私は涼しい風に吹かれながら桜の舞う道を歩いた


そこら辺の人の話し声に耳を傾けてしまうのは多分


仕事癖だろう


どうでもいい話がなんでも私の耳に入ってくる


便利だと思う人は便利だと思うだろうが


これが結構厄介だったりする


《お父さん！見て！自転車乗れたよ！》


《お母さん！四つ葉あったよ！》


《お兄ちゃん！》


《お父さん！お母さん！》


こうやって家族の会話が聞こえてくるから


あんな人生を送ってきたにも関わらず


家族からの愛を望んでしまう私がいるから


なんて考えながらバイトを終えて家に帰る


帰ればそこには居場所がある


「おかえり〜」って言ってくれる


私はその日の夜少しの間眠れなかった


色々“過去”のことを思い出してしまったから

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