逆転カップル【赤】【stpr】 (ページ24)

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迷子ページ24

Aside

『…いない』

私は人混みの中ポツリと一言漏らした

今日は莉犬くんが「どっか行きたい！」って言うから

街にでてきたわけなんだけど

莉犬くんが迷子になりました

どっちかの背が高かったらよかったんだけど

あいにく私たちの背は…虚しくなるからやめよ←

てなわけでこんな人混みの中、1人の人を探すなんて不可能に近い

pururururu…

出ないんだけど！？

なんで…あっ⋯⋯(察し)

家にスマホ忘れたか、充電切れだね

早く見つけてあげなきゃ…

ドンッ

『わっ、あ、すみません』

私はぶつかってしまった人に一言謝罪の言葉をかけて立ち去ろうとした

男「ちょっと待ってよ」

私はその人に腕を捕まれて引き留められてしまった

『いたッ…な、なんですか？』

震える声が気づかれないようになんとも思ってないように振る舞う

だって、私は強いんだから

強く在らなきゃいけないんだから

男「怪我…しちゃったんだけど？」

そう言って傷を見せてくる男

何言ってんのよ、ただのかすり傷じゃない

男「お詫びにちょっと付き合ってよ」

そう言って腕をグイッと力強く引っ張る男

痛い

気持ち悪い

『…辞めてください、私、彼氏いるんで』

男「だから何？wま、その彼氏さんが助けに来たらいいね〜w」

…ねぇ、“フラグ”って知ってる？

ドガッ

男「うおっ」

り「…何してんだよ」

『莉犬くん…』

男を思いっきり後ろからけったのは私の彼氏である莉犬くん

今まで聞いたことないぐらい低い声で言う彼は

いつものかわいい彼ではなかった

り「ねぇ、俺の彼女に何した？」

そう言って倒れ込んだ男の胸ぐらを掴む莉犬くん

…いいぞ、もっとやれ←

男「ひ、ひぃ…こ、こいつがぶつかってきたから！」

り「だからなんだよ、見てこれ」

そう言って私の腕を引いて男に見せる莉犬くん

り「お前に掴まれた腕、赤くなってるんだけど？」

男「ッ…わ、悪かったよ！」

そう言って早足で逃げてく男

り「あいつ…許さねぇ…」

『莉犬くん、ありがとね』

り「もう！A！“迷子”になっちゃダメだよ！？」

え…？

『いや、迷子になったのは莉犬くんでしょ』

り「いや！Aだから！」

家に帰ったあとずっとこの言い合いをしていたのは

また別の話