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知らないフリNo.9 ページ10

Aside


『さと…ちゃ』


動揺を隠せない私を黙ってさとちゃんは抱きしめた


さ「…」


『さと、ちゃ?』


さ「…」


何を聞いても黙ったままのさとちゃん


私は諦めて彼の温もりを感じながら涙を流した


これはきっとさとちゃんなりの優しさで、私を慰めてくれるんだって


安心させてくれるんだって


そう思った


私の生暖かい涙がさとちゃんの肩に落ちても


私が声を上げて泣き出しても


さとちゃんはただひたすら私を抱きしめていてくれた





『さとちゃん…大好き』





さとみside


『さと…ちゃ』


…こんな早くに見つかるとは


想定外だった


1人ぐらいだし別に誰も家に来ないと思ってたけど


甘かったか


俺は黙ってAを抱きしめた


さ「…」


『さと、ちゃ?』


さ「…」


あぁ、愛しい、この声が


俺はこの愛を離すまいともっとAを強く抱きしめた


しばらくするとAも黙って


泣き始めた


は?なく?なんで?


…もしかして…あいつのため?


俺は直樹とかいうAの幼なじみを思い浮かべた


なんで?なんで俺以外のために泣いてるの?


なんで?Aは俺が全てじゃないの?


俺はAが全てだよ?


Aがいればこうやって犯罪だっておかせるし


人権も信頼も友達も家族ももう何もいらないぐらい


Aを愛してる


なのにAはいつも…


『さとちゃん…大好き』


ほら、『大好き』って


俺はAを愛してるけどAは俺を大好きだ


愛の重さが違っている


なら俺が下げればいい?


いや、違う


Aが俺を大好きじゃなくて愛せばいいんだ


そうだ、俺をもっと愛して


そういう意味を込めて俺はもっと強く、泣きじゃくるAを抱きしめた


もうすぐだから待っててね?


俺がいなくなる以外で悲しみを感じなくならせてあげるから

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azusa(プロフ) - 優@青い彗星さん» ありがとうございます!こう言って頂けて嬉しいです!頑張りますね! (2019年8月25日 9時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
優@青い彗星 - さとみくんのヤンデレ感がすごくイメージできてとてもいい小説だと思います!応援してます!頑張ってください(^-^)/ (2019年8月25日 4時) (レス) id: 54313a5dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:azusa | 作成日時:2019年8月21日 22時

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