愛してるから気付かないフリを【stm】【stpr】

知らないフリNo.13 ページ14

Aside


「あはは…w…でさー…」


昔のこと、今のこと


かつて共に辛いことも楽しいことも一緒に進んできたみんなが


またここに集まって喋ってる


昔の失敗もいい思い出に変わって


そして今、辛いことがみんなにあって


その辛いこともまた、未来では笑い話なんだろうなって


…なんてねw


あー…酔ってんのかもw


よくわかんない事言っちゃってるw


そう思いながらも私はまた1口、お酒を口に運んだ


そしてテーブルとグラスを軽くぶつけて音を鳴らす


その瞬間


小さなリップ音と共に目の前が真っ暗になって唇に軽く何かが触れる感触がした


私…キス、された？


隣に座っていた一ノ瀬くん


高校生の時1度告白されて断った記憶がある


まさかそれで…？


いや、さすがに自意識過剰すぎる


これだけの月日がたったんだ


何もかも変わったんだ


そうだ、そういや前もこんなことあったな


ノリなのか本気だったのかは今でも分からないけど


一ノ瀬くんがこうやって唇を重ねてきたこと


その時は私、顔真っ赤にしてすっごい照れたけど


今はそんなシャイな私じゃない


今のキスだってさとちゃんとのものって考えたらなんともない


そう思いながら隠れてハンカチで口元を拭き取った


まさかさとちゃんが見ていたなんて知らずに

知らないフリNo.14→←知らないフリNo.12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す