な組の女子メンバー

行ってらっしゃいもいい飽きてきたところ ページ15

Aside

『さとみくん、莉犬くん行ってらっしゃい』


さ「おう」


り「頑張るね！」


今から人を殺しに行くというのになんでそんなに元気なんだか…


いや、今から人を殺しに行くからこそ元気なのか


彼らにとって殺しは遊びにたいなもん


それもそうか


な「二人とも行ったね」


『だね…』


…ちゃんと帰ってくるのかな


帰ってこなかったとしても私には関係ないのかな？


な「Aはいつもそうだよね」


『え？』


なーくんが突然言い出した


な「メンバーを見送ったあとすごく寂しそうな…切なそうな顔をするじゃん」


そう…だったんだ


無意識だったんだけどな


『…そう？』


な「うん」


なーくんは直ぐにそう答えた


…私って自分が思ってるよりメンバーが大切なのかもしれない


唯一の居場所だからだろうか？


やっぱり自分が1番なのだろうか


…なんかやだな


な「で、なんでそんな顔してんの？」


え…、なんでって


『そりゃ、メンバーをもう二度と見れないと思うと』


な「ふ〜ん…」


それっきりなーくんは黙ってしまった


なんか話すこともないし


話しかけづらいな…


な「Aはいい子だね」


なーくんは突然そう言って私の頭をくしゃっとなでた


『いい子…じゃないよ…』


そう言うとなーくんは


な「なんで？」


ってほんとに不思議そうな顔をした


『だって自分のことがいちばん大切だし、人だって簡単に殺せちゃうし』


な「自分の事がいちばん大切なのはみんな一緒だよ」


…違うよ


なーくんがちょっとズレてるだけ


本当のいい子は自分なんかより他人を優先していて


優しくて…


な「それに」


私の思考はなーくんの言葉によって遮られた


私ったら何を今更…いい人になんてなれるはずないのに


な「人を殺すのに抵抗がないのはAの運が無かっただけだよ」


運…？


なーくんの言っていることは正直意味が分からなかった


な「あの冬の日親に捨てられたAはな組によって拾われた」


な「この組に拾われたこと、その時点でこの運命は決まってたんだよ」


確かに…


あの日、他の人に拾われていれば


もっとなにか変わったのかもしれない


な「最初はAだって人を殺せなくて色々あったでしょ？」


確かに色々あった


運動神経は元々良かったので人は殺せるのだが


その勇気がなくて


死にそうになったこともあったな


な「だからさ…Aはいい子だよ」

いい子…じゃないよ→←私が1番疲れてる気がするよ

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