全てを否定された私は…【stpr】

数日の苦労 ページ48

Aside


正直、おばあちゃんとの生活は辛かった


大嫌いなおばあちゃんと生活してるっていうこととか


虫が多くて夜はカエルがうるさいのとか


お店が全然ないとか


そういうのもあるけど1番は


何をしても怒られないことだった


私がおばあちゃんが昔から使っているお気に入りのティーカップを


落として笑ってしまった時も


祖母「物ってのはねぇ…いつか壊れるものなのよ、しゃーないしゃーない」


って言って破片を一つ一つ丁寧に拾い集めた


やっぱり、しょうがないんだ


私がなにかを失敗するのはしょうがないんだ


なにしても怒られないんだ


“愛されてないから”


そんな感じで苦痛でしかなかった生活


いつまでもこのにいられるものじゃないなと思った


だってここにいたらいつか


おばあちゃんを殺してしまうんじゃないかって怖くなったから


…もしかしたら私がおばあちゃんを殺してもおばあちゃんは


しょうがないって言うのかな？


そんなに愛されないまま終わってくのかな？


なんて怖いことを考えてしまう自分がいる


暖かい色合いの毛糸をいつもあんでいるおばあちゃんを見つめながら


そしてここでの生活は相当暇だった


紙はあるけどそこまで絵が上手い訳でもないし


勉強もする気もないし


したって意味ないし


テレビもおばあちゃんが見ないからないし


あるのはラジオぐらい


ラジオなんか聞いてても私はなんにも面白みを感じない


だから…っていうのもおかしな話だけど


私は日記をつけることにした


ここでの記録


いつかこのを出ていく時の記録


私の見たものを


私が見た世界を


私の旅を


全部この日記帳に記すんだ


誰に見せるってわけじゃないけど


いつか誰かが見た時に


あぁ、こんな哀れで醜い少女もいたんだなって


思われるかもだけど


私は私を記す


私は繕わない私の存在が欲しい

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