全てを否定された私は…【stpr】

あの手紙と私 ページ45

Aside


もしもあの6人があの手紙を見つけたとしたら


一体どう思うだろう？


怒る？


悲しむ？


それとも…


なんとも思わない？


…そもそも見つけない？


私のことなんかどうでも良くなっちゃうかな？


私は…


私はみんなのこと大好きだよ


大好きだから離れたの


大好きだから…みんなには幸せになって欲しいの


自分でも悲劇のヒロインぶってんのわかってる！


わかってるよ！


けど…


変わりたかったんだよ


変えたかったんだよ


だからさ


どうか見つけないで？


みんなのため


…いや、私のため？


私は私から逃げたくて


“私”という存在がないここに来たのかもしれないね


素でいられるこの場所に


…あの場所も…6人と一緒だった場所も


すでいられたよ？


居られたけど


違うの


あの場所にはもう既に“普通を取り繕ってる私”が存在してしまってるから


ダメなの


もう、戻れないの


ここならきっと私を責める人もいない


ここならきっと私を嫌う人も好く人もいない


ここならきっと誰にも邪魔されないで生きてける


要らなくなればおばあちゃんだって殺してしまえばいい


そう、捨ててしまえばいい


いっそ、私だけになってしまえば…


って


我ながら恐ろしいなって思う


縁側で夕日を浴びながら赤い毛糸を編むおばあちゃんを見る


…殺そうと思えばすぐにでも殺せる

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