全てを否定された私は…【stpr】

私がここに来た理由 ページ41

Aside


祖母「それにしてもどうしたの？急にこんな…田舎まで」


慣れたように茶葉を急須に入れ少し置いておくおばあちゃん


『んー？なんとなくかな、とにかく、しばらくここにいるから』


このまま戻ったら意味ないのだ


私の計画は


祖母「それは別にいいけど…学校は？」


『それは…いいの、別に』


しばらく置いておいた急須を傾け湯のみにお茶を注ぐ


そして私の前に出す


梅の花が描かれたなんとも可愛らしい湯のみ


さすがおばあちゃんだなぁ…と思ってしまう


昔から可愛いものが大好きで


昔の人形とか沢山見せてくれて


たくさん私にくれたおばあちゃん


今じゃあのおばあちゃんがくれたお気に入りのぬいぐるみとかも


お母さん達に捨てられちゃった


結構気に入ってたんだけどね


私の唯一の遊び相手だったから


『ねぇ、おばあちゃん』


祖母「…なぁに？」


昔と変わらないゆっくりとした口調


『なんであの時…「しょうがない」なんて言ったの？』


祖母「…いつの話？」


『…私が…お父さんとお母さんを殺した時』


その瞬間おばあちゃんの動きがピシッと止まった


私はおばあちゃんの少し垂れた目を見つめる


するとおばあちゃんはまたゆっくりと動き出して


祖母「やぁね〜…なんで今更そんなこと聞くの？」


と言った


『…なんとなく』


私は窓からボロボロに痩せてしまった畑を眺めて呟いた


あの時…私が虐待に耐えられなくなって


両親を殺したあの時


おばあちゃんは私に「しょうがない」って言った


なんで？なんでそんなこと言ったの？


私は…私は


愛のある…ちゃんと私のことを想った


怒り方をして欲しかったのに


「ダメでしょ」って


「将来どうするのって」


言って欲しかったのに


虐待を知りながら助けもしなければ


私を責めたりもしない


何を考えてるのか分からないこの人が


私は大嫌いだ

最後の置き手紙→←私は

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す