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本当のこと ページ37

さとみside


『私は生まれたことから人間にあるはずの感情がほとんどありませんでした

それでも家族には恵まれて周りから見れば“幸せな家庭”で育ちました

両親や身内にたくさん甘やかされて生きてきました

もちろん私は感情がなおので“嬉しい”とは思えなかったのですが』


初めはこんな話から始まった


ただの何の変哲もない家庭に生まれたある女の子の話


『お父さんはだいたい無表情で頑固な人でしたが

その反面お母さんはとても表情と感情が豊かな人間でした

普通の人なら性格的にお母さんの方がいいと言うのかもしれませんが

感情のない私にはお父さんといる方が気楽でした

もちろん、父にはそれなりの感情がありましたが


でもお父さんはほとんど出張で家にはいませんでした

ので、常に自然と私はお母さんと家で二人きりなのでした


お母さんは表情豊かな上によく喋る人でした

いつも私に趣味の料理の話を話して聞かせていました

だからか私は料理の知識は人より少しあるのかもしれません


…少し話がそれてしまいましたねw


ある日、私は家出しようとしました

怖かったんです

お母さんが

私にないものを沢山持っているお母さんが

愛も

感情も

表情も

その全てが羨ましくて

でも理解できなくて

それが私には恐怖でしか無かったんです


理由はこれだけではありませんでした

恐怖は常に感じていたものでしたから

その頃海外の出張によく行っていたお父さんが乗っていた飛行機が墜落したんです

日本に帰る途中

…それも私がお母さんと二人きりが耐えられないと

お父さんにこっそり伝えて帰国を早めてもらった時です

それから私は“望む”ことをやめました

私は望んでは行けない

そう思ったんです


そしてお母さんを刺しました

台所のお母さんがいつも使っていた包丁で

あの時のお母さんは壊れていました

感情豊かなお母さんはお父さんが死んだ理由が私だと知って

私を殺そうとしました


私は怒りによって人を憎むということが分かりませんでした

だから怖かったんです

向けられた包丁の先が首に浅い傷を付けても恐怖なんて感じなかった

なのにお母さんの…人間の感情が…

私にないものがただひたすらに怖かったんです

だからお母さんを刺しました

刺殺しました』


なんでもない事かのように言う蒼井さんに


俺は恐怖を覚えた

離れる心→←感情がないはず



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azusa(プロフ) - いちごパフェさん» 蒼井さんと遠井さんwww確かに読み違えそうですねw更新頑張りますね! (2019年7月8日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ↓話の感想じゃなくてすまぬ。この作品とっても大好きです!更新頑張ってください!続編も楽しく読ませて頂きます!! (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
いちごパフェ(プロフ) - ジェルくんsideの時、蒼井さんを遠井さんと読み間違えてしまう。やばいな、私… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 12100336d7 (このIDを非表示/違反報告)
azusa(プロフ) - Ruruaさん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2019年6月28日 7時) (レス) id: 569ecf34b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rurua - すごい…物語の展開が好きすぎる…というかころんくんが好きすぎる… (2019年6月28日 7時) (レス) id: 7771d21199 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:azusa | 作成日時:2019年5月23日 20時

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