12 ページ14
・
「ヌナ？…ヌナってば」
その声にハッとする
『…あぁ、ごめん、ジミン』
目の前にいるジミンの顔は不思議そうにこっちを見ていて、ただそれだけのはずなのにその表情に少しだけ不安が混じっているように感じてしまう
「もうー、俺の聞いてた？」
『うん、聞いてたよ』
「うそばっかり。全然心ここにあらずだったよ？」
『そんな事ないよ、連休の話でしょう？』
ジミンは柔らかく笑うと、“なんだぁ実は聞いてたんだ”って言うとまだ湯気の立つカップを口元に運ぶ
「で、どうかな」
『うん』
「ヌナさえよければなんだけど」
そのお誘いは将来を考えた恋人であれば嬉しいもので、少し前の私ならただただ喜んだのかもしれない
「もうさー、ヌナに会わせろって聞かないしねー。まぁでも、俺もちゃんと紹介したいなと思ってたからさ、ヌナの事」
でも、なんだろう
ジミンへの愛情はこれっぽっちも変わっていないはずのに、心臓がドクドクと鈍い鼓動を打って、眩暈のような吐き気のような穏やかではない感情がゆっくりと全身を巡る
きっと、昨晩、また
ユンギに抱かれたせいかもしれない
「ごめん、迷惑かな？」
『ううん、迷惑だなんて。そんな事思うはずない』
「ほんと？よかった」
ふふっと微笑むこの人を失いたくない
この温もりも、触り心地のいい手の感触も、子犬みたいな上目遣いも、手放したくない
「じゃあ、決まりだね」
『うん』
私は狡い女でしょうか
何一つ不満なんてないのに、
こんなに満たされているのに、
あの、刺すような瞳に見つめられると動けない
きっと、私は弱いから、
彼を拒むことなんて、できない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 527人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mituki(プロフ) - 久しぶりに占ツク読むと、ちゃいさんの新作がっ！！本当に震えました！！ちゃいさんのユンギさんが大好きなので、本当に楽しみです^^ちゃいさんのペースで更新してください！ちゃいさんの過去作品を読み返して待ってます^^ (2019年5月1日 4時) (
レス) id: f9131addb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - ななペコさん» うわぁTTなんとありがたいことでしょうTT私なんぞのお話をお気に召していただけて超光栄でございますー！相変わらずの亀更新になりそうですが、楽しんでいただけるように頑張りますねー！いつも本当にありがとうございます！！ (2019年3月12日 2時) (レス) id: 7e7998c8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ななペコ(プロフ) - はじめまして。いつもちゃいさんの小説を密かに読ませて頂いています。初めて読んだ占ツクの小説がちゃいさんが書いたお話で。またちゃいさんの小説が読めて嬉しいです。魅力的な物語の雰囲気、続きが本当に気になります…無理せず頑張って下さい。応援しています！ (2019年3月11日 0時) (レス) id: b3b044afea (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - チョンミーさん» チョンミーさん！コメントありがとうございます！なんとcloserをお好きな方に読んでいただけるなんて！私もこの曲大好きなのでとっても嬉しいですー！今後も楽しんでいただけるようにマイペースに頑張りますねー！ (2019年3月10日 1時) (レス) id: b2597b2b70 (このIDを非表示/違反報告)
チョンミー(プロフ) - こんにちは！開始からもう続きが楽しみです！私chainsmokers大好きで、その中でも一番closerが愛してやまない曲なので本当に展開が楽しみです。無理なさらない程度に頑張ってください！応援してます (2019年3月9日 13時) (レス) id: f9e1769adf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃい
| 作成日時：2019年3月9日 1時
