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ユンギと関係を持つようになったあの頃、
「他人に干渉されるの嫌いなんだよ」
彼はまるで牽制するかのようにそう言っていた
私はそれを“勘違いするな、お前は特別な存在じゃない”という意味だと捉えていて、ユンギに何かを期待する事も必要以上に何かを求める事もしなかった
きっとこの男に願っても無駄だから、
『私も干渉されるの好きじゃないからちょうどいいんじゃない』
彼が私にそうするように一定の距離を取ったのだ
「あっそう」
まぁ私のその返答にさえも大して興味を持っていない様子だったけれどね
ユンギは誰かと深く付き合うことが出来ないタイプなのかもしれない
その証拠に、私が彼に出会ってから特定の女と付き合わなかったし、誰かに深く関わろうするのも見たことがなかった
彼に特別な感情を抱いて何かを求めてしまった女は、泣くか喚くか、彼の頬を叩くかして去っていくのだ、それが末路
だけど、
「今からうち来ねぇ?」
忘れた頃に掛かってくる電話は細く長く続いた
文字通り、細くて長くだ
お互い必要以上には踏み込まない
けれど、どちらからも手放そうとはしない
ユンギがどう思っていたのかは知らないけれど、少なくとも私は彼の領域に踏み込むのが怖いと思っていた
だから、彼が何をするのにも素知らぬ顔をしていたし、興味も持たないようにしていた
そうゆうのがお互いにとって一番楽だったから
“この男だけは好きになるべきじゃない”
最初からそう言い聞かせていたおかげで、泣くことも喚くこともユンギの頬を叩くこともなく細く長く彼との関係を続けられたのだ
そんな男との不透明な関係なんて続ける必要も意味もないのに、断ち切れなかったのはユンギと一緒にいると穏やかな気持ちになれたからだろう
他の女たちが思うそれとは違えど、なんだかんだ私はユンギが好きだったのだ
だから、
「お前みたいな女だったら一生付き合ってられそう」
時より気まぐれにそんな事を言うユンギを、
『なにそれ、ばかみたい』
ひどく残酷な男だなと思った
浅い眠りの中で、そんな昔話を思い出していた
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mituki(プロフ) - 久しぶりに占ツク読むと、ちゃいさんの新作がっ!!本当に震えました!!ちゃいさんのユンギさんが大好きなので、本当に楽しみです^^ちゃいさんのペースで更新してください!ちゃいさんの過去作品を読み返して待ってます^^ (2019年5月1日 4時) (レス) id: f9131addb5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - ななペコさん» うわぁTTなんとありがたいことでしょうTT私なんぞのお話をお気に召していただけて超光栄でございますー!相変わらずの亀更新になりそうですが、楽しんでいただけるように頑張りますねー!いつも本当にありがとうございます!! (2019年3月12日 2時) (レス) id: 7e7998c8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ななペコ(プロフ) - はじめまして。いつもちゃいさんの小説を密かに読ませて頂いています。初めて読んだ占ツクの小説がちゃいさんが書いたお話で。またちゃいさんの小説が読めて嬉しいです。魅力的な物語の雰囲気、続きが本当に気になります…無理せず頑張って下さい。応援しています! (2019年3月11日 0時) (レス) id: b3b044afea (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - チョンミーさん» チョンミーさん!コメントありがとうございます!なんとcloserをお好きな方に読んでいただけるなんて!私もこの曲大好きなのでとっても嬉しいですー!今後も楽しんでいただけるようにマイペースに頑張りますねー! (2019年3月10日 1時) (レス) id: b2597b2b70 (このIDを非表示/違反報告)
チョンミー(プロフ) - こんにちは!開始からもう続きが楽しみです!私chainsmokers大好きで、その中でも一番closerが愛してやまない曲なので本当に展開が楽しみです。無理なさらない程度に頑張ってください!応援してます (2019年3月9日 13時) (レス) id: f9e1769adf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃい | 作成日時:2019年3月9日 1時