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「酒、弱いの?」
しばらくの沈黙の後、ユンギ先輩が口を開く
よくよく考えたら、仕事以外でユンギ先輩に話し掛けられたのは初めてかもしれない
「グラス、全然減らねーからさ」
『あ・・・実は、あんまり』
「ははっ、意外だな」
『そうですか?』
「だって“鉄の女”なんだろ?」
『あー、みんなそう言いますよね・・・。鉄の女だから酒強そうとか酔わなそうとか』
「じゃあ俺それ言うのやめよっと」
どうゆうこと???
「だってみんなそう言うんだろ?だったら俺はもう言わない。その辺のつまんない奴らと一緒になりたくないし」
なんだかよくわからないけど、
『変わってますね』
「お前には言われたくねーよ」
ユンギ先輩って・・・
塩男のイメージと違って案外話しやすいかも
「ウーロン茶頼んでやろうか?」
『え?』
「え?じゃねーよ、弱いんだろ?」
『あぁ、でも』
“自分で頼めます”と言う前に、先輩は通りがかった定員に“ウーロン茶1つ”と注文してくれた
鉄の女の弱点は“アルコール”
実は舐める程度にしか飲めなくて、いつも乾杯で口を付けたら後は適当に場の空気を壊さないように飲んだフリをしている
だから、ちょっと助かった
『ありがとうございます』
「おぅ」
ここまではよかった
だけど
ウーロン茶が運ばれてきて、ユンギ先輩と盛り上がらないながらも楽しく話をしているうちに、事態は急変したのだ
「ん?お前なんか顔赤くねーか?」
『へ?』
そういえばー
顔が熱いようなー
体がポッポしてきたようなー
フワフワしてきたようなー
訝し気な表情をしたユンギ先輩は私の手からグラスを奪うと、
「おい、これウーロンハイじゃん」
それを一口飲んでそう言った
どうりで変わった味のウーロン茶なわけだ
なんでソフトドリンクとアルコールを同じグラスで提供するんだ・・・わからないじゃん、ってか気づけよ自分
「大丈夫かよ、水飲め」
『らいじょぶれす』
「わかったわかった、いいから飲め」
とりあえず、私の記憶はその辺で途切れてる
・・・で、目が覚めたら
『・・・待って』
隣でユンギ先輩が眠っていた
ここは、どこだ
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さらんへ(プロフ) - まさかの舞台が日本 (2020年9月27日 2時) (レス) id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - 彩夏さん» ユンギさんのお話を気に入っていただけて光栄です!私もいろんなユンギさんを書きたいですー!書ける時だけの気まぐれ更新ではありますが、これからも細々と頑張りますー! (2018年5月8日 0時) (レス) id: 7e7998c8d7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - サケさん» コメントしていただき、ありがとうございます!これからもソルトな感じで頑張ります! (2018年5月8日 0時) (レス) id: 7e7998c8d7 (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - ユンギの話もっと色々書いて欲しいです!!!ちゃいさんの作品面白いです!!!楽しみにしてるのでもっとユンギお願いします!!! (2018年4月29日 22時) (レス) id: 464ba0c83d (このIDを非表示/違反報告)
サケ - そると (2018年3月7日 20時) (レス) id: a70c5e26c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃい | 作成日時:2017年1月5日 0時