まだ見ぬ君へ

19 -YG- ページ20

後輩と分かれたあと、講義を受けながらなんとなく考える





きっと、あの手紙の子も

返事が来たら素直に喜ぶんだろうな……



手紙からも素直さが滲みでてるもんな





……普段寄ってくる女たちとはどこか違う感じだしな







だからきっと、返事を書こうかなと思うんだろうが






これがすぐに


"カトクのID教えて"とか手紙に書いてくるような奴だったら


間違いなく返事なんて書かなかっただろう






"手紙のやり取りをしてみたい"



こう書いていた彼女だから、きっと俺は心動かされたんだろう







普段なら絶対


めんどくせー、で終わりそうなもんなんだけどな









顔も知らない彼女が


俺の手紙なんかで喜んでくれる様を想像して



自然と頬が緩む







…………って俺は変態か





そんなキャラじゃねーっての








だけど


そういうのも悪くねーかなって思うくらいには




手紙の主に心動かされてるんだから




意外と俺も単純なのかもしれない









講義が終わり、席を立つ


このあとは特に予定もないし、






……手紙でも書くか





そう思い立って、歩いていると






「わ、またﾕﾝｷﾞ先輩はっけーん!!今日はよく会うねー」






『……なに。お前、暇なの?』




にこにこしながら近づいてきた後輩




……今日は厄日か←



「暇じゃないよ!!なんか、ﾕﾝｷﾞ先輩と手紙の話したらさー、手紙書きたくなっちゃって!帰って手紙書くから忙しいよ!!」





『それ、忙しいって言わねーだろ』






「えー?……へへっ。返事くるといいなー」






『……まだ書いてもねーのに、返事はこねーだろ』





返事が来た時のことを考えてか、すでににやけている後輩







でもきっと手紙を書くってこういうことなんだろうな……






後輩に偉そうなことを言ったくせに

すでに返事がくることを考えてしまっている自分に気づいて



やっぱり笑みがこぼれてしまっていた

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