語らない女 -NJ- ページ1
-今-
■ﾅﾑｼﾞｭﾝside
何度か訪れたこの場所、
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢お疲れ様です、
彼女と話したいんですけどいいですか？｣
「ナムジュン警部捕、ご苦労様です
どうぞどうぞ！
先ほど目を覚ましたようなので、
今は･･･話すかどうかはわかりませんが
とにかく会えると思いますよ」
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢ありがとう･･･行こう、ジョングク｣
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢はい｣
部屋の前で見張りをしている所轄の巡査に挨拶し、
白く重たいドアをゆっくりと引く
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢失礼します｣
巡査が言った通り彼女は体を起こしていて、
『･･････』
ぼんやりと鉄格子付いた窓の外を見る
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢Aさん、こんにちは｣
彼女からの応答はもちろんなく、
こちらに反応もせずに視線を外に向けている
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢今日の気分はどうですか？｣
『･･････』
まぁいい
彼女が一言も発さないのは今に始まった事じゃない
ここは、とある警察病院の一室
窓に鉄格子がはめられているが、
決して刑務所でも拘留所でもない
『･･････』
光の宿っていない瞳を窓の外に向ける彼女
この病室にどうして鉄の格子があるのかというと、
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢外、出たいですか？｣
それは彼女が自らの命を絶とうとしたから
事件の直後、ここに運ばれここで目を覚まし
“『私が･･･殺、りました･･』”
そう言った後、彼女はそれを図った
そもそも運ばれてきた時点で彼女は
致命傷を負っていたが、
それすらも人から傷つけられたものなのか
自分で傷つけたものなのか、今となっては謎だ
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢外･･･出てみます？その、少しだけ｣
『･･･っ』
だからここの窓には鉄の格子が付いてる
彼女は黒い瞳を俺に向ける
そして、こくりと小さく頷いた
外に出たいらしい
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢先輩、大丈夫なんでしょうか｣
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢俺たちも一緒だから大丈夫･･･
彼女は“重要参考人”なだけだ、
自由に外を歩いて、何が悪い･･｣
心配そうに眉を顰めるジョングク
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢･･･そう、ですね｣
させやしないよ
ﾅﾑｼﾞｭﾝ｢今日は天気が良いです
一緒に散歩をしましょう･･･キム Aさん｣
そう、彼女は･･･
愛されなかった方の女 “キム A”だ
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ひめか - こんなに読んでて涙が溢れたのは初めてです。ありがとうございました！ (2021年1月31日 4時) (携帯から) (
レス) id: a3b377be62 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 最初ちょっと怖いのかな？って思ってから入りましたが、どんどん読むにつれて奥が深いというか…とにかく私はこのお話すごく読んでよかったと思いました！最後涙止まりませんでした。ちゃいさんの作品私大好きです。また他の作品も読ませてくださいね！ (2018年4月4日 22時) (レス) id: 3605258b65 (このIDを非表示/違反報告)
ナーア(プロフ) - すごく好きでした。ありがとう。 (2016年12月10日 12時) (レス) id: e9da991bb8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - kpmhron13さん» 重苦しいお話だというのにお気に召していただけて光栄でございますTT また好きになっていただけるようにこれからも頑張ってお話を書いていきますー！コメント本当にありがとうございましたー！ (2016年11月30日 17時) (レス) id: c01c8f472f (このIDを非表示/違反報告)
kpmhron13(プロフ) - すごいすきです。この話。 (2016年11月30日 12時) (レス) id: 10c7499d6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃい
| 作成日時：2016年10月12日 20時
