タイムチェーン -JK&TH- ３

１２５　-near future- ページ33

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-近い未来の話-



「A？」



呼び掛ける彼の声



「せっかく迎えに来たのにどこ行くの？」



振り返るとジョングクの姿



『･･･ジョングク』



私を未来に連れてってくれる優しい笑顔は
前から知っているものなのに
なんだか別人のように感じるのは、

私たちがいい意味で過去を捨てて
また１からスタートをしたからかもしれない



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢髪、すごくいいね｣


『本当？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢うん、知らない人みたい｣


『ちょっと』



“ははっ冗談”と笑ってはいるけど
あながち冗談とは言えないだろう



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢可愛いよ、すごく｣


『あ、ありがとう//』



そして


まるでこれが初恋であるかのような
この懐かしさががすごく照れくさい



クリスマスから少しだけ時間が経ち
今新たな季節が芽吹こうとしている



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢行こっか｣


『あ、うん』



少し前を歩くジョングクは
“ん”と言って恥ずかしそうに
マメの痕がある左手を出す



･･･繋げって事だよね？



そこに自分の右手を重ねると
力強くぎゅっと握られて胸が跳ねる



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢引っ越し先はどう？｣


『うん、結構片付いた』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢そっか｣



テヒョンの部屋は･･･出た


彼に何か言うべきかすごく迷ったけれど
きっと･･自分がそれを言って
すっきりしたいだけなんだろうと思ったら
彼の部屋を黙って出る事しか出来なかった



だけど


鍵と一緒に彼に一言だけ置いてきた



“私を強くしてくれてありがとう”って



ありがとうが、
彼に･･･ちゃんと届きますように




今まで繋いできた手とは
反対側で繋がる全然違う懐かしい手



“ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢今までの何もかも、
　俺が一緒に抱えて生きてくから｣”



この手の持ち主はそう言ってくれた



『今度、その･･･
　えっと、家に遊びに来る？//』



私も同じように抱えたい



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢ん、行く｣



個々に抱えるんじゃなく
分かち合って２人で２人分を抱えるの



『あ、うちは禁煙だからね？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢えー、まじ？｣



それってすごい事だと思う



ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢ならこれを機に止めようかな｣


『え？』


ｼﾞｮﾝｸﾞｸ｢うーん、まぁそのうちに｣


『っもう』



この人とずっと一緒にいたい

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