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■YOUside



ナムジュン「パクさん、上がっていいよ」



予定退勤時間を少し過ぎた頃
客足が少し落ち着いた隙に
そう言って微笑むナムジュンさん



『本当にいいんですか?
 先に帰っちゃって・・・』


ナムジュン「何言ってるの、
 昨日も今日も十分頑張ったでしょう?
 せっかくのクリスマスなんだから
 パクさんも大切な人と過ごすといい、ね?」


『はい・・ありがとうございます』



在庫を取りに行っているグクが
今この場にいなくて少しだけホッとしてる



だけど


明日から彼はもうここには来ないから
最後に一言くらい挨拶したかったとも思う



もう・・二度と会うこともないのだから



『じゃあ、お先に失礼します』


ナムジュン「お疲れ様、メリークリスマス!」


『ははっ、はい!
 ナムジュンさんもメリークリスマス』



店内に流れていたクリスマスソングは
乗務員用通路に入った途端に小さくなり、
進めば進むほど音と気温は下がっていく



事務所の扉を開けようとした時、



ジョングク「・・・あ」



段ボールを抱えたグクが
裏の角から曲がってきたところだった




『・・・お疲れ様』


ジョングク「うん、お疲れ
 パクはもう上がり?」


『あ、うん』


ジョングク「そっか・・」


『・・・・・・』



最後に一言挨拶くらいとか思ったくせに
なんて続けていいかわからない私



ジョングク「・・・今日までありがと」



沈黙を防いだのはグクだった



ジョングク「ほら、俺明日から本社戻るし」


『うん』



最後なんだからグクの姿を
この目にちゃんと焼き付けたいのに、



ジョングク「・・・元気でな、パク」


『うん、グクもね』


ジョングク「ははっ、さんきゅ」



今どんな顔して笑っているのか
あの頃と変わらない笑顔なのか
グクをまっすぐに見たいって思うのに、



ジョングク「テヒョン先輩と幸せにね」


『・・・うん、ありがとう』



それはどうしても躊躇われ
私の視線は段ボールを支えている
グクの絆創膏の巻かれた手に留まってしまう



私の横を通り過ぎたグクの足音が
少しだけ遠ざかったところで、



ジョングク「パク」



こっちを振り返る




きっと次が最後の言葉




ジョングク「メリークリスマス」



それは皮肉にも、



あの頃の私が

どうしてもグクと言いたかった言葉だった

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87 - 最近この話を読んだ者です。本当に感動しました!グクとのカレカノ編みたいなのも読んでみたいです! (2018年7月8日 9時) (レス) id: be50aff81b (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - テテペンです!感動しました!!でも、テテがなんかかわいそうな気がしましたw (2017年10月27日 1時) (レス) id: 394e8470e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - みんちさん» ありがたいコメントをありがとうございます!私なんぞにお優しいお言葉を下さり、感激で胸が・・・うっうっTT 完全な素人作品ですがお気に召していただけて光栄です!またみんちさんに読んでいただけるようなお話を書きたいです! (2016年11月16日 11時) (レス) id: 343f35885f (このIDを非表示/違反報告)
みんち(プロフ) - ちゃいさん是非小説家になりましょう!wwww 本当に感動作品です!素敵なお話でした (2016年11月15日 18時) (レス) id: fce98acc68 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - lunaさん» いつもコメント本当にありがとうございます!こうして励ましのお言葉いただけて毎回の如く泣いてますTT 生意気ジョングクの時の事も覚えてていただけて嬉しいですー!また楽しんでいただけるお話をこれからも頑張ってお届けします(まずは修行ですかね) (2016年5月16日 17時) (レス) id: c01c8f472f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃい | 作成日時:2016年2月6日 0時

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