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-数時間前-



■YOUside



テヒョン「これ、受け取ってくれる?」



向かい合った私の目の前に
テヒョンは大きな手の平を差し出す



拒まない、拒めない、
テヒョンを拒む理由なんて
どこを探したって1つも見つからない



それなのに手と口はすぐには動けず
目は瞬きすることさえ出来なかった



さらさらと静かに舞い降りる粉雪の中、



テヒョン「・・・A?」



不安そうなテヒョンの声で我に返る



『あ・・・ごめんね、
 その・・驚いちゃって』



半分は本当



テヒョン「驚かしてごめん、でも俺は本気
 いつ言おうかずっと考えてた」


『・・・ぅん』




ドクンっ



決めたでしょ?A

その手を、テヒョンの手を取りなさい



テヒョン「受け取って、くれる・・?」


『も、ちろんだよ』



声が上ずってしまったのは
この雪のせいにさせてください



もうこの手を取ったら
彼の事は忘れるから、二度と考えないから



テヒョン「ほ、本当!?」


『ぅん』



だから私に・・・っ

テヒョンを幸せにする力を下さい




ドクンっ



テヒョン「指輪、俺に付けさして」



テヒョンは今まで握っていた私の左手を
胸の位置まで上げ、薬指にそっと触れる




ドクンっ
ドクンっ



一生で一度の大事な場面に
私の脳裏に巡ったのは、


“あぁ、もう彼の事を
 思い出すこともなくなるのね”


っていう安堵感にも似た空虚な感情だった



テヒョンは大事そうに自分の指で支え、
その指輪を私の指先にゆっくりと運ぶ



私はその瞬間が来るのを
薬指の付け根をじっと見て待っていた



ドクンっ、
ドクンドクンっ



でも、



テヒョン「・・・っ・・」



指輪が第2関節に引っかかったところで
テヒョンの動きはピタリと止まってしまう



『・・・テ、ヒョン?』



自分でも驚くほど声が詰まって
その名前さえもうまく発せなかった



指から視線を外すと同時に
テヒョンの手の温もりが消える



『っ、テヒョン!』



顔を上げた時には、
もうすでに彼は振りかぶっていて、



テヒョン「っ、あぁーっ」



粉雪の遠く彼方に
その指輪を・・・投げて、いたんだ

120→←★118 -near future-



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87 - 最近この話を読んだ者です。本当に感動しました!グクとのカレカノ編みたいなのも読んでみたいです! (2018年7月8日 9時) (レス) id: be50aff81b (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - テテペンです!感動しました!!でも、テテがなんかかわいそうな気がしましたw (2017年10月27日 1時) (レス) id: 394e8470e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - みんちさん» ありがたいコメントをありがとうございます!私なんぞにお優しいお言葉を下さり、感激で胸が・・・うっうっTT 完全な素人作品ですがお気に召していただけて光栄です!またみんちさんに読んでいただけるようなお話を書きたいです! (2016年11月16日 11時) (レス) id: 343f35885f (このIDを非表示/違反報告)
みんち(プロフ) - ちゃいさん是非小説家になりましょう!wwww 本当に感動作品です!素敵なお話でした (2016年11月15日 18時) (レス) id: fce98acc68 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - lunaさん» いつもコメント本当にありがとうございます!こうして励ましのお言葉いただけて毎回の如く泣いてますTT 生意気ジョングクの時の事も覚えてていただけて嬉しいですー!また楽しんでいただけるお話をこれからも頑張ってお届けします(まずは修行ですかね) (2016年5月16日 17時) (レス) id: c01c8f472f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃい | 作成日時:2016年2月6日 0時

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