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しばらく・・・
多分ほんの1〜2分だったと思う


唇をつむんだままだったホンビンが
ゆっくりとその口を開く



「俺さ・・・
 Aの事が本当に好きなのね」



出だしの一言で気まずさが
私たちの間を空気をすぐに支配する



『・・・・うん』


「でね、出来れば・・・
 俺がAを癒してあげたり
 笑わせてあげたいって思ってた」


『・・・・・』


「自分の色に染められたらって
 そんな事ばっかり考えてた・・・」



応えられずにいる私を
ホンビンは苦笑いしながら見つめる



「だけどさ、」



少し切なそうに、少し晴れやかに



「自分の好きな人が好きな人と
 想いが通じ合うなら・・・

 それもいいかな‥って
 思う気持ちもある、ほんの少しね」


『え?』



そう言うとホンビンは
肩に掛けたバックパックの中から取り出す


・・・・見覚えのある“スケッチブック”を



『それ・・・』



表紙に青い鳥の絵が書いてある
そのスケッチブックはテグンさんの物で、
どうしてホンビンが
それを持っているのかはわからないけど



「これ・・・見て」



彼は私の目の前に差し出す



『・・・え?』


「いいから、ちゃんと見て」



促されるままに彼の手から受け取り
恐る恐る表紙を捲ると



『・・・・なに、これ‥』



やっぱりいつもの4色しかなくて



『・・・わ、私・・?』



あの美術館の絵の様に
淡く優しい色をした・・・“私”がいた



幸せの黄色

癒しの緑

無垢な白



彼の想いが綴られるように色めく



・・・言葉が出ない




その中の1枚



ピンクの花畑の中で手を繋ぐ恋人の絵



『え・・・』




前を歩いて繋ぐ手の先を振り返る“私”と


導かれる様、絵の中の“私に”
手を引かれているこの黒髪の後姿は・・・・



『・・・テグン‥さん?』



いつも追っている広い背中が
ピンク色の背景にふんわりと浮かび上がる

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ちゃい(プロフ) - ゆみさん» コメントありがとうございます!そんなありがたいお言葉をいただけて光栄でございますTT嬉しいです!レオニムのお話は短編ではチラチラ書いているのですがまたいつか長編でも書きたいなと思っておりますー!その際はどうぞよろしくお願いしますー! (2016年7月9日 1時) (レス) id: 5c2e9d1515 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - とても素敵なお話で感動しました!レオニムの良さが滲み出ていて本当にキュンキュン切なくなりました。是非またレオニムのお話書いて頂きたいです!本当に素敵でしたー! (2016年7月8日 11時) (レス) id: 7a6220bbf5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - いえいえそんな♪ 喜んでいただけて私も嬉しいです! こちらこそこれからも仲良くして下さい(o^^o) いえいえ! (2015年11月11日 7時) (レス) id: 62396f963f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - そらさん» そらちゃーんTT読んでくれていたなんてTT本当にありがとうTT いつも完結するとコメントをいただけて本当に嬉しいですー!これからも仲良くして下さーい!カムサハムニダ! (2015年11月11日 0時) (レス) id: 2654b9a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - annaさん» あんなちゃーんTT終わったしまったよーTTさみしーTT 初VIXX上手く書けたかわからないけどまた書きたいっすー!これからもどうぞよろしくー!ミカエルー! (2015年11月11日 0時) (レス) id: 2654b9a9b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃい | 作成日時:2015年9月28日 0時

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