レインボーサイト -LEO-

２５　-in those days- ページ27

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テグンさんには
“読心術”があるわけじゃない



その人がその時に感じていることが
煙みたいに浮かび上がる“色”として視えるだけ



ただ･･･

会話をしたりやその状況がわかれば
“なんでその色なのか”が予想出来るから
結果的に“読める”って事にもなるわけだ



彼の視えるのはおおよそ７色

赤・青・黄色・緑・ピンク・白・黒



これは単色で視える事もあれば
入り混じって視える事もあるらしくて、


“「人間の感情なんて
　そんな単純なものじゃないでしょ」”


テグンさんはそう教えてくれた



そしてその感情の強さや精神状態で
ハッキリと色として視えたり
揺れて視えたりぼやけて視えたり
色んな視え方が出来るらしい･･･ホントに不思議



この中で彼が好むのは


楽しい時に幸せに映える“黄色”
穏やかな時に癒しに浮かぶ“緑”
愛情を感じた時に恋にはしゃぐ“ピンク”



それから

子供のように何にも染まらない
ピュアで静かな“白”



テグンさんは
“「白は感情とはちょっと違うかも」”と、
この色だけは言葉で説明するのに苦戦してた



彼の描いた空がどうして
緑とピンクのグラデーションだったのか
絵に込められた本当の意味も理解できたし、

彼があの告別式の日、
どうして黒ではなく淡黄のニットで
ヒョシン先生を弔っていたのかもわかった



　･･･きっと

　“天国で幸せに”と願いを込めたんだ





そして彼が中々好きになれないのは


怒りを感じた時に燃える“赤”
悲しい時に涙で濡れる“青”


最後に

嫉妬や憎悪が闇に渦巻く“黒”



彼の絵に赤・青・黒に出て来ないのも
喪服を着なかったのもそれが理由で、

“「視界が全部青なんて耐えられない」”


あの日雨雲の下、
告別式に不釣り合いの
サングラスを掛けていたのもその理由



人が感じていることが視えるなんて
当然私にはわかりっこないんだけど


“「･･･４色だけ視えればいいのに」”


彼の不思議な瞳は時に痛みを伴うもので


“「こんな力･･･全然いらない‥」”


この世界で異質な存在のテグンさんは
そのせいで孤独さえ感じているように見える

２６　-in those days-→←◎作者より

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