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---今---


私のなにがテグンさんに秘密を
打ち明けさせたのかはわからないけど
彼はほんの少しだけその心を覗かせた



一度心を覗いてしまうと
もうその先は止められなくて
ごく自然にそこに引きずり込まれるようにして
彼の虜になってしまったんだと思う



『・・・隣いいですか?』



たまにしか見かけない背中を見つけると
その不思議な空間の一部になりたくて
こうして彼の側に引き寄せられる



「あ、うん」



テグンさんはそんな私を拒絶しない



『今日も一人でランチを?』


「なんか学食って・・・
 色々落ち着かなくてね」


『人多いですもんね』


「うん・・・」



口元が気まずそうに少しだけ上がる



「あぁも人が多いと
 視たくないものまで視界に入って来るから」



彼は決して人が嫌いなわけではない


人混みが苦手なだけ、
1人の時間も好きなだけ、
きっと本当は寂しがり屋


そしてたくさんの人で賑わう場所は
必ずいろんな感情が行き交っているから
視たくないものを嫌煙しているだけ



『テグンさんらしい』


「そう?」


『はい、テグンさんは優しすぎるから』



恩師の死を悼み敬うテグンさんが
人嫌いなわけないし
感情表現が人よりも苦手で
普通に大人しい性格の人



「俺は優しくなんかない」



その証拠に彼は私の問いかけに
必ず返事をくれるし



「臆病者なだけ、カッコ悪いよね」



その表情の変化も見せてくれる



『カッコ悪くなんてない』


「・・・・・」



彼は澄んだ瞳に?を浮かべる



『人が悲しんでる色を視て
 胸を痛めるテグンさんが
 憶病なんて、私は思いません』



彼が私に



「・・・ありがとう」



こうして穏やかに微笑んでくれるのが


私に心を開いてくれてるからか
単に私が彼の秘密を知っているからかは



残念ながら・・・わからないんだけどね

20→←18 -in those days-



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ちゃい(プロフ) - ゆみさん» コメントありがとうございます!そんなありがたいお言葉をいただけて光栄でございますTT嬉しいです!レオニムのお話は短編ではチラチラ書いているのですがまたいつか長編でも書きたいなと思っておりますー!その際はどうぞよろしくお願いしますー! (2016年7月9日 1時) (レス) id: 5c2e9d1515 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - とても素敵なお話で感動しました!レオニムの良さが滲み出ていて本当にキュンキュン切なくなりました。是非またレオニムのお話書いて頂きたいです!本当に素敵でしたー! (2016年7月8日 11時) (レス) id: 7a6220bbf5 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - いえいえそんな♪ 喜んでいただけて私も嬉しいです! こちらこそこれからも仲良くして下さい(o^^o) いえいえ! (2015年11月11日 7時) (レス) id: 62396f963f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - そらさん» そらちゃーんTT読んでくれていたなんてTT本当にありがとうTT いつも完結するとコメントをいただけて本当に嬉しいですー!これからも仲良くして下さーい!カムサハムニダ! (2015年11月11日 0時) (レス) id: 2654b9a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - annaさん» あんなちゃーんTT終わったしまったよーTTさみしーTT 初VIXX上手く書けたかわからないけどまた書きたいっすー!これからもどうぞよろしくー!ミカエルー! (2015年11月11日 0時) (レス) id: 2654b9a9b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃい | 作成日時:2015年9月28日 0時

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