90minutes -TH-

俺に出来る事 ページ8

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その言葉から連想するのは
映画やドラマによく見る“白い粉状の物体”



俺の世間知らずなんてこのレベル



『そうゆう仕事してる女でも
　“廃人”だけはごめんだわw』



未知の世界



片足どころか
小指さえも突っ込んだことのない世界



そうゆう世界に彼女は身を置いてるんだ



ﾃﾋｮﾝ｢･････｣



それほどクソ真面目に
生きてたわけじゃないけど

俺は今までなんて平和なところで
ぬくぬくと温室育ちをしてたんだろうと
この身がいかに恵まれてるかを知る



『まぁ･･･そんなわけで
　“逃げられない”し
　特に“逃げも隠れもしない”』



さっき道端で蹲ってたのが
嘘みたいな彼女のハッキリとした口調



名前も知らない彼女



弱そうに見えて強い女



でも



“『今日はどうしても･･･
　････誰にも･･抱かれたくない』”



強そうに見えてきっと･･･弱い女



　だって･･･あの時

　なんだか泣きそうだったじゃん




ﾃﾋｮﾝ｢ねぇ、それ俺にも
　手伝わせてくれない？｣


『は？』


ﾃﾋｮﾝ｢俺も一緒に返す｣



自分でも変だと思うんだけど
このまま見て見ぬフリは出来なくて
半分とはいかなくても
彼女が抱えてるものを持ちたかった



だけど



『それは無理』



彼女は即答で拒絶



ﾃﾋｮﾝ｢なんで？｣


『他人のあんたにしてもらう義理ない』


ﾃﾋｮﾝ｢俺がしたいって言ってるのに？｣


『あんたがしたいしたくないの
　問題じゃないの、これは私が抱えてるもの』



この数分でわかったことは
彼女が絶対に引かない女だって事



それなら



ﾃﾋｮﾝ｢ならキミはいくらなの？｣



これしかないじゃん



『･･･え･･』


ﾃﾋｮﾝ｢俺が客なら問題ないし
　キミにもお金入るんでしょ？｣


『ちょっと･･何言ってんの？
　あんた頭おかしいんじゃないの？』


ﾃﾋｮﾝ｢おかしくない｣


『･･････』


ﾃﾋｮﾝ｢全然おかしくないよ｣



あの時から俺に出来る事はそれだけ

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