90minutes -TH-

微笑-YOU- ページ43

■YOUside



“ｶｲ｢チャニョルといい、あの男といい･･･
　
　これ以上お前を想ってくれる人間を･･･
　その客を･･･失いたくないなら
　
　その話はレイヒョンには絶対にするな｣”




考えても考えてもわからない



カイがなんでそんな事を言ったのかも



ﾚｲ｢一緒に食事するの久しぶりだねぇ｣



この男が何を考えているのかも



『･････』



目の前にはまた豪華としか
言いようのない料理がずらりと並び、



ﾚｲ｢取ってあげようか？｣


『いえ･･･結構です』



何の進歩も無いやり取りを交わす



ﾚｲ｢ふはっ
　今日もつれないねぇ｣



肩を竦めるも微笑みは絶やさない


私にはそこから先を読みとる事が出来ない



カイの言葉を信じるべきか、
それとも一縷の望みを掛けて
ユンギさんの申し出の件を話すべきか



黒い染みが浮き上がってからというもの
その判断を出来ないままでいる



引っかかっているのは
カイの“失う”という言葉



ﾚｲ｢なに？俺の顔に何か付いてる？｣



何を意味するのかわからないけど
カイの言葉を鵜呑みにすれば
ユンギさんの身に危険が及ぶという事



『ちょっと聞いてもいいですか？』



　･･･それは絶対に避けたい



ﾚｲ｢なぁに？｣



にっこりと微笑む彼の顔は
“仏”と形容していいだろう･･･表面的には‥



『チャニョルの事なんですけど･･･』


ﾚｲ｢チャニョル？｣


『はい･･･彼の借金って
　“お店のお金に手をつけた”でしたよね？』


ﾚｲ｢うん、そうだよ｣



どうしても確かめなくてはいけないのは



『チャニョルはどうして
　そんな事をしたんでしょう･･･
　私が知る限り
　彼はそんな事する男じゃなかった』



“真実”･･･それが知りたい



ﾚｲ｢さぁ｣



レイさんはシャンペンを口に含むと



ﾚｲ｢なんでだろうねぇ｣



意味ありげな微笑と共に肩を竦める



なにかありそうなのに
どうしてもこの仏の顔の
裏の裏を掴む事が出来ない

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