90minutes -TH-

黒い染み-YOU- ページ41

■YOUside



一体･･･どうゆう事なの？



“ｶｲ｢チャニョルといい、あの男といい･･･
　
　これ以上お前を想ってくれる人間を･･･
　その客を･･･失いたくないなら
　
　その話はレイヒョンには絶対にするな｣”



そう言い残して部屋を出て行くカイの背中




『あの男って･･･テヒョンの事だよね？』



どうしてテヒョンの事が出て来るの？
彼がパッタリと来なくなってしまった事と
レイさんが何か関係があるの？




そしてもう１つ



『････チャニョル？』



カイの口からは元彼の名前まで出て来た



　どうして？



クラブでボーイをしていた元彼チャニョル



テヒョンとはまた違った意味で
明るくて朗らかだったチャニョル



-“俺自分の店持つのが夢なんだよね！”



そう語ってた彼はあのクラブで
深夜のバイトを必死にこなしていた



-“その夢が実現したらさ･･･
　Aもその店にいてくれるだろ？”



調子のいいところはあったけれど
嘘が上手くつけるタイプでも
人を欺くような男でもなかったから



“店の金に手をつけたらどうなるか
　わかってるよなぁ？チャニョル‥”



彼がそんな事をしていたという事実も
私の前から忽然と姿を消した事も
すぐには･･･受け入れられなかった



チャニョルの言葉を信じていたからこそ
より深い沼底に沈められたし
男を信じない女になったのもそのせい



“ﾃﾋｮﾝ｢俺･･･待つもん｣”



テヒョンが･･･現れるまでは




そういえばカイに初めて会ったのは
チャニョルが消えた後
レイさんが私の元にやって来た時



チャニョルが働いていたクラブは
彼らの息が掛かる店の
１つだったとその時知ったんだった･･･




“ｶｲ｢･････｣”



あの時の憐れむような目を忘れない




『･･･“失う”？』



ここで気付く矛盾



『待って‥チャニョルは
　自分から姿を消したのに･･･“失う”‥？』



湧いた小さな黒い疑問は
ジワジワと胸の中で広がり大きな染みとなる




“ここのルールだから
　キミまで逃がすわけにいかないんだよね

　大丈夫･･･悪いようにはしないから”




レイさんの頬笑みの裏には何があったの？




『･･･テヒョン』



彼はどうしているの？




‥ねぇ･･･お願い


ここに“来る事が出来ない”ではなく
ただ“来ない”というだけであって欲しい

無茶はよせ-JM-→←レイヒョンに言うな-KI-

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