90minutes -TH-

ただの女-YOU- ページ33

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『じゃあ‥ユンギさん
　私行きますよ？』


ﾕﾝｷﾞ｢んー･･･｣



今にも眠りの中に落ちそうな彼は
未だ床の服もそのままにベッドの中



『そのまま寝たら風邪引きますから
　せめてちゃんと掛けて寝て下さい』



うつ伏せの背中に
ブランケットを掛けようとして
膝からカクッと力が抜けよろける



ﾕﾝｷﾞ｢平気かよ｣


『慣れっこです』



強がったものの･･･
今日は一段と体が重い



ﾕﾝｷﾞ｢悪ぃ･･･
　もっと加減してやればよかったな｣


『何言ってんですかw
　それじゃあ私がいる意味なくなっちゃう』


ﾕﾝｷﾞ｢まぁな｣


『やっぱりユンギさん変わってる』



彼はキュッと私の手を握ると



ﾕﾝｷﾞ｢あぁゆうお前･･･俺嫌いじゃねーな｣



枕の上で目を閉じ小さく呟く



ﾕﾝｷﾞ｢･･･なんか羨ましくなった｣


『え？』


ﾕﾝｷﾞ｢いや‥なんでもねぇ｣



そう言うと手を離し枕に顔を埋める



ﾕﾝｷﾞ｢もう行け｣


『･･･それじゃあ』


ﾕﾝｷﾞ｢ん･･･またな｣



もしかしたらユンギさんの気分を
害してしまったんじゃないかと思ったけれど
彼の最後の“またな”に少しだけホッとする



それと同時に



『‥くっ･･･うっ』



ドアを後ろ手に閉めた瞬間に
堰を切ったように溢れだす感情



遮られた視界の中で
どんなに頭を乱してもどんなに体を乱しても



“ﾃﾋｮﾝ｢A･･･｣”



彼の事以外頭になかった



“こんなのいけない･･プロ失格”
そう思っても私は機械じゃない･･･ただの女



自分の感情はコントロールできても
想いまではコントロールする事は出来ない



愛する人を思い浮かべて
愛のない情事に溺れたところで



『‥テヒョン･･･』



その違いを目の当たりにして傷付くのは自分



待っているのは強烈な孤独



ただ･･･虚しいだけ

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