90minutes -TH-

悪魔？ ページ15

■ﾃﾋｮﾝside



「テヒョンくーん！
　これも運んでくれるー？」



ﾃﾋｮﾝ｢はい！｣



彼女に会うための
バイト生活ももう慣れたもん



午前中だけだった大学が終わった後
ファミレスのシフトをこなして
今は工事現場でひたすら肉体労働



引っ越し屋とここのバイトしてると
なんか筋肉が逞しくつきそうだよね
(俺あんまつかないけどさー)



そんないつもの変わらない
金曜ではない日を過ごしていると



ﾃﾋｮﾝ｢ん？･･･A｣



男に手を取られて
白い外車から降りる彼女の姿



こんな風に彼女を街で見かけるのが
初めてなのは普段この時間
彼女が外を歩くなんて事がないせいだろう



　今日は･･･出張‥なのか？



彼女の手を取る身なりのいい美しい男



あいつは彼女の客なんだろうか



沸々と湧いてはいけない感情



「テヒョンくん、どうした？」



じっと見ていたからか仕事仲間の
気のいいおじさんが近寄ってくる



「うお･･･あれは」



俺の視線の先を見るなり
笑顔は凍りつくような表情に変わる



ﾃﾋｮﾝ｢どうかしました？｣


「テヒョン君、
　あんまり彼らを見ちゃいけない
　彼らと目が合ったりしたら大変だ」


ﾃﾋｮﾝ｢なんでですか？｣



慌てて腕を引き難しい表情で口を開く



「あの男が誰か知ってるかい？」


ﾃﾋｮﾝ｢白いスーツの人ですか？｣



彼女の手を取る男は
数人の男たちに守られるように囲まれている




なんかの要人かお偉いさんかと思いきや



「あの男は“チャンイーシン”
　この辺りを全て取り仕切ってる組の
　切れ者の若頭だよ･･･」



一緒にいるのはとんでもない男だった



ﾃﾋｮﾝ｢チャン･･イーシン｣



「“仏のレイ”って呼ばれてる
　俺たちにとっちゃ悪魔より恐ろしい男だよ」



･･･悪魔？




じゃあなに？


Aは今、そんな男と一緒にいるの？




彼女の身が心配でしょうがない




なんで今日は金曜じゃないんだよ

自由？-YOU-→←泣く子も黙る-YOU-

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