90minutes -TH-

待つもん ページ13

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残念ながらAは俺の彼女じゃない



そうだったらいいんだけど
彼女はそれを望んでなかったから



何度か彼女を指名して
何度か外で逢瀬を重ねた後



ﾃﾋｮﾝ｢ねぇ･･･俺と付き合ってよ｣



ベッドで向き合う彼女に素直な想いを伝えた



ﾃﾋｮﾝ｢お客さんとしてじゃなくて
　ちゃんとAに会いたいよ｣



だけど



『それは無理』



彼女は俺の頬に手を当てて



『ごめん･･･私･･
　誰とも付き合えない･･･』



悲しそうにそう言った



ﾃﾋｮﾝ｢どうして？
　そうゆうのも禁止されてるの？｣



客の彼女への禁止事項は
そんなに多くはないけどいくつかある



“体に傷をつけない”とか
“そのままはダメ“とか、そのどれも
俺は破ることがなさそうな項目だったから
全部は覚えてないや‥はは



今指しているのは
これとは別の“彼女の禁止事項”



『いや･･･
　特に禁止はされてないけど』



つまり彼女に付いてる“枷”



ﾃﾋｮﾝ｢じゃあどうして？｣



少しだけ黙ると
意を決した強い瞳で



『テヒョンは平気なの？』



ジッと見る



『自分の彼女が
　他の男と･･･なんて嫌でしょ？私は嫌だ』



そして両の掌で俺の頬を包んでキスする



『だから誰とも付き合わない』



　彼氏なら･･･
　少し頼ってくれるかなって思ったのに



“『他人のあんたにしてもらう義理ない』”



彼氏なら･･･他人じゃないから



やっぱり今の俺に出来る事は
こうして彼女の客でいる事だけ？





『だけど･･･』



しがみつくように首に細い腕を絡ませる



『これ･･いつか終わったら･･･
　テヒョンみたいな人と付き合いたい』



その垣間見える弱さに胸が痛い



ﾃﾋｮﾝ｢そこは俺にしようよ｣



彼女の手を握り締めると
握りかえる温もりをじわっと感じる




ﾃﾋｮﾝ｢俺･･･待つもん｣





“本当は弱い彼女”が強くいられるなら



ﾃﾋｮﾝ｢ってゆーか
　俺がAじゃないとやだよ｣



せめてそれを側で

支えていたいなって思うんだ



　はぁ･･･
　
　俺がもっと大人だったらな



それでもいい



彼女に会いたいから



彼女が好きだから
狂いそうなくらい好きだから



どんな形でも一緒にいれればいいんだ



‥‥客にしかなれなくて‥ごめんね

泣く子も黙る-YOU-→←愛情がないのがいい-YOU-

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