90minutes -TH-

変わった客-YOU- ページ11

■YOUside


〜今〜



『じゃあ先にお風呂に入ってるね』


「んー･･･ちょっとしたら行くわ」



事が済み･･･未だベッドの上で
気怠そうに寝そべる男を残し
バスルームへと向かう



この人は“90分”よりも長い時間で
指名してくれるから必ず一緒にお風呂に入る


･･･ってゆーか

それも彼の“注文”



この人とのこの時間は決して苦痛じゃない



汗にまみれた体をシャワーで洗い流し
彼が好みそうな入浴剤を丸いバスタブに落とす



シュワッと音がして浴室内に漂う甘い香り



少しすると



「あー･･いいね
　この匂い嫌いじゃない」



低い声と共にガラス戸が開き
私の背中を包み込む肌の感触



『ユンギさん、こうゆうの好きでしょ？』


ﾕﾝｷﾞ｢さすが、よくわかってんね｣



彼はユンギさん

いつも私を指名する客



『ユンギさんの時は
　店から良さそうな入浴剤必ず持ってくるの』


ﾕﾝｷﾞ｢へぇーお前かわいいとこあんのな｣


『飽きられたら困るからねw』


ﾕﾝｷﾞ｢なるほどw｣



ボディータオルをお湯につけ
“こっち向け”と向き直させる



『あ、ユンギさん
　私が洗ってあげるよ？』


ﾕﾝｷﾞ｢いーからいーから｣



この人は他の客とはちょっと変わってる



ﾕﾝｷﾞ｢俺さー、色々されたいってよりも
　自分が色々したいんだよねー｣


『変なの』



そうなの、変



大体こうゆうとこの客ってのは
女のコからの奉仕を望んでるし
あーだのこーだのと
欲にまみれた無理難題を要求する男が多い



『ちょ･･･洗い方が･･なんかっ』


ﾕﾝｷﾞ｢これダメ？｣


『･･うん･･･ダメ･･』


ﾕﾝｷﾞ｢じゃこれは？｣




まぁ･･･この人も

他とはちょっと違うけど
ある意味自分の欲求に


ものすごく正直な人なのかもしれない



でも･･･私


この人、嫌いじゃない

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