【ゼルダBotW】白い記憶と永遠の命 (ページ9)

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ねむるページ9

［］

「…ん…」
彼女は目を覚ました。
起き上がり、あたりを見回す。

「ここは…」
『厄災ガノンの魔の手が絶対に及ばない、安全な場所だよ』
彼女に微笑みかけると、少し首をかしげてから、何か納得したように二回頷いた。

まだ完全ではないものの、段々と先程のことを思い出したようだ。
「死んだの…？」
『生きてるよ』
彼女は心臓に手を当て、生きているのを確認してから、ほっと息をはいた。

「リンクは…？」
はっと思い出して、顔を上げたその顔は蒼白で、今にも泣きそうだった。
『リンクも…生きてる。今は眠ってるらしいけど』
彼女の前に膝をついて、『安心して』と言うと、彼女はきょとんとしていた。

『また、眠ってそれで彼を…』
彼女を恋しく思う気持ちと罪悪感で胸が張り裂けそうだった。
「え…？」
知らない間に、泣いていたようだ。
『ご、ごめんね…？』

精一杯の笑顔を見せ、立ち上がった。

「行っちゃうの…？」

そういえば、彼女はこちらのことを知らない。
記憶が無いのだから仕方がない。

『…まぁ』

「もう少し…話をしていたいの…」

「…パパと」

気がつけば大切な我が子を抱きしめ、「ごめん…ごめん…」と泣いていた。
やがて涙が枯れると、深く深呼吸して我が子の目を見る。
先代から受け継いだ、美しい澄んだ目をしていた。

『時間はまだあるから、もう少しだけ話そうか』

うん、と嬉しそうな声が聞こえた。