・ ページ43
Fukazawa side
・
「どういうことですか！！！！！そんなの、嫌ですっ！！！！！！」
事務所の廊下を歩いていた時、突然怒鳴り声が鳴り響いた。
明らかに佐久間の声で、少し開いた扉から佐久間と社長の姿が見える。
深澤「あの、失礼します。何かあったんですか？」
「Aから電話、ジャニーズをやめるって」
深澤「………え、」
「その2人の反応じゃ何も聞いてないんだね」
佐久間「そんなこと、簡単に受け入れられないじゃないですか！！！」
深澤「佐久間、ジャニーさんに怒ったって仕方ないだろ」
佐久間「じゃあふっかはどうする気？うたがこの世界からいなくなってもいいの？」
「引退するつもりだ、って言ってたよ。どうしようか困っちゃったね」
佐久間「ジャニーさんはうたを手放して後悔しないんですか？」
「そりゃするよ。でも本人がやめたいって言うんだから、止められるかな」
深澤「俺らで、説得してきます」
「それはいいけど、余計Aのことを傷つけるのだけは気を付けてね」
うたの家へ向かう車で、佐久間はずっと無言だった。
ここ何年かずっとうたの背中を追って生きてきたから、余計信じられないのかもしれない。
今の状況を見れば仕事を休んだ方がいいのは納得できるけど、突然やめるって言いだしたのには何か理由があるに違いない。
葵は忌引きの期間が終わって学校に行っているみたいだ。
インターホンを鳴らして出てきたのはぐったりとした様子のうただったから。
玄関の扉を開けると同時に俺らの方へ倒れて来て、そのまま慌てて抱きかかえる。
すっかり寒くなった部屋で暖房もつけずにこんな薄着でいたようだ。
冷え切った体は立っていることすらままならずにガタガタと震えている。
深澤「うた、分かる、俺らだよ？」
佐久間「取り敢えず中に運ぼう」
深澤「ここまで来てくれてありがとな。うたが玄関開けてくれなかったら俺ら中に入れなかったよ」
『………あ、』
佐久間「ん？どうした？」
『…あおい、は、っ、どこ、なんでっ、はぁっ、』
深澤「A？葵くんはもう学校行ったんじゃないの？ほら、鞄だってないし靴も無いね」
佐久間「うたはもう学校終わっちゃったもんね、後は卒業式だけだ！俺らみんなで見に行っちゃおうかな」
深澤「そうじゃん、俺ら来賓のフリして行っちゃおうぜ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 556人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Radu | 作成日時：2021年6月7日 21時
