10人目の居場所は、ここに。ー3ー (ページ39)

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Hauta side

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『向こうの方々とか、大丈夫でしたか？』

「まだ監督さんが現地にいらっしゃったので、映画祭のことはお願いしておきました。気にしないでとのお言葉でした」

『…そう、でしたか。すみません本当に』

「いいんです。それより、これから大丈夫ですか？何かあればお手伝いしますし、ご葬儀のことは、葉歌さんも弟さんもお若いですから事務所に任せても、」

『大丈夫です、僕にできる仕事をやりたいだけなので。これが、最後にできる孝行ですから』

「……そうですね。じゃあまたご連絡します」

葵の脚と手に痛々しく巻かれた包帯。

これだけで済んで良かった。

葵まで奪われたら、どうしようもなかっただろうから。

何の気なしにテレビを付けたら夕方のニュースに僕が取り上げられていた。

映画祭突然のキャンセル、帰国か、今後も映画祭も出場しないのか

溢れる言葉と飛び交う憶測に嫌気が差してテレビを消した。

SNSだって同じような惨状だった。むしろテレビの方が良かったほど。

突然の欠席を責める声、帰国した理由を説明しろとの声、続編だからって世間を舐めた行動をするんじゃないとの言葉

適当な流し読みを続けているところに宮舘くんからの電話が入った。

『もしもし？』

「あっ、ねぇうた出たよ」

【マジ！？ねぇなんで俺の電話には出てくれねーんだよ！！】

【やっぱダテさんがいいんじゃない？】

【関係ないだろ！】

「ゴメンね後ろがうるさくて」

『ううん。なんか安心した、みんなの声聞いて』

「向こうで何かあった？日本帰って来たんだよね？」

『向こうじゃなくてこっちでね。おじいちゃんとおばあちゃんが、事故で、』

「…………え、」

『もう、救急隊が来た時点で、ダメ、だったみたいで』

「Aは、大丈夫なの」

『葵が怪我して、でも怪我で済んだから、』

「違う、Aのこと聞いてるの。うたは、大丈夫なの？俺ら行ってもいい？」

『僕は大丈夫、もう、理解できた。今日はご飯食べて片付けとかして、明日からお葬式の準備とかしないとだから、』

「そういうことも手伝うよ。葵くんだって怪我で不自由してるんでしょ？なんでもやるから」

『………ううん、大丈夫。ほらだってさ、おじいちゃんの知り合いの人とかに電話するのにいきなり宮舘ですなんて言ったら、向こうの人驚いちゃうじゃん！ね？だからそういうのは僕がやらなきゃ』