10人目の居場所は、ここに。ー3ー (ページ22)

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Hauta side

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楽しい、幸せ、嬉しい

そんな感情全てを炭酸に溶かしたような3日間だった。

勿論僕のクラスのお化け屋敷が最多来場者数を獲得し、クラス会の日程がそのうち組まれるらしい。

夏梅さんがデザインしてくれたクラスTシャツには1人1人へのコメントが書かれていて、「お疲れ様！」とか「文化祭楽しもうね！」とか、無難だけど心温まる一言が肩に乗っかっている。

僕のはと言うと、

「Aくんは夏休み中ずっと忙しそうだったよね！文化祭はその頑張りが報われるぐらい楽しめると嬉しいな、って思ってます」

と丁寧な丸文字で書かれていた。

それだけでまた感情が上がっちゃって揶揄われて、ほんと最悪。

夜盲症だから当日の中の仕事は手伝えない、と前もって言っておいた分だけ準備には精を出した。

ストーリーも本格的だし、片付けの時間が少ないなかでもセットチェンジが出来るように工夫した。

怖いのが苦手な人ように短めのコースを準備したのが功を奏したのか、子供まで結構楽しんでくれたみたいで。

深澤くんと佐久間くんと阿部くんと宮舘くんが4人揃って来てくれた時は本当に驚いたけどね。

高校の文化祭にいるようなオーラじゃないのに、普通にピザとか食べてたし。

嬉しかった。自分が一生懸命作ったあの空間を色んな人が楽しんでくれたことが。

それに、クラスの仲間たちがみんな喜んでくれたことも。

部活の方はと言うと、多分成功だった。

正直満身創痍で必死だったし、途中で暑さのせいか客席の女の子が何人かフラフラしててそっちに気が取られたし。

友達曰く、あれは僕に夢中だったらしいけど。

そこに因果関係なくない？

仲間とステージで表現することほど幸せなことはない。

3日間が過ぎて、最終日の月曜日には、告白する。

心を決めたら最後までやり通す。

そういうとこの気合いだけは持ってるからね。

『あ！夏梅さん、今日って早く帰る？』

「ううん、明日にやること多いの嫌だから、片付けしてから帰るよ」

『そっか。あの、さ、ちょっとだけ話があるんだけど、後で、時間もらえる？』

「全然いいよ！」

『後夜祭終わったら、屋上で待ってて欲しい』

「うん、了解」

話が終った後は柄にもなく手が震えて、通りかかった先生に心配されるほど立ち尽くしてしまった。

まず最初の段階はクリア。

後は、きっと神様が味方してくれるだろうから。