10人目の居場所は、ここに。ー3ー (ページ21)

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Hauta side

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友達に強引に駆り出された軽音楽部のボーカル

ダンス部の公演、因みに今年の発表時間は去年の倍らしい

おまけに適当な係でもやろうと思ってたのに誘われて断れなかった文化祭実行委員会の仕事、ただこれが結構面白い

そんなこんなで過ぎた夏休みは結構忙しくて、若干バテ気味。

自分の体が強くないのも分かってるし、酷使しすぎで夕方になると足も腰もずんずんと痛む。

それでも毎日楽しいし、自分が必要とされてるって事実だけで充分幸せだった。

「お兄ちゃん、酷い顔色だよ」

『なんかね、体重いんだよね』

「あと3日なんだし、今日は休んだら？」

『クラスのさ、お化け屋敷が全然終わってないんだよ』

「あー言ってたね。でもお兄ちゃんのクラスの完成度が高いって聞いたけど」

『マジ？それ、僕の作戦なんだよね。結構前からクラスの外に展示物とか仕掛けを飾っておいて、他のクラスのお化け屋敷よりも怖そう！すごそう！って噂を流しておこうっていう作戦』

「……策士だわ」

『だって、一番来場者数が多かったクラスが校長先生の奢りでクラス会できるんでしょ？そりゃ頑張るよ』

「えー！！僕の隣のクラスもお化け屋敷なんだけどさ、見に来てよ！！お兄ちゃんも来てくれると思うって言っちゃったから！！」

『全然いいよ。因みにね、3日間で中のルートとかストーリーとか全部変えるから、毎日来てね』

「うーわ、それ、高校の文化祭のクオリティーじゃないって」

なんとなく頭痛いな、腰痛いししゃがむのキツイな、階段登るのに手すり掴まなきゃ無理だな、って感じのまま半日を過ごせばそういうのに疎そうな周りの友達も僕の異変に気付いてくれたらしく、その日は早く帰らせてくれた。

葵はまだ学校、おばあちゃんは買い物、おじいちゃんは仕事、そんな静かな家にいれば突然佐久間くんから電話がかかってきた。

「よっ！！！うたー！！元気？」

『佐久間くんの声が大きすぎてげんなりしそうになりましたが、元気です』

「なーんだよそれ！！ねぇ、うたんとこの文化祭土曜からでしょ？見に行っていい？いいよね！」

『いいって言ってないですよ』

「いいじゃん！授業参観も見に行く仲なんだからさ！」

『それもいいって言ってないですよ』

「そうそう、うたが色々やるって葵から聞いたんだけどさ、時間教えて？」

『………どうせ、時間も葵から聞いてるんでしょ』