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Watanabe side
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渡辺「なんで、言わなかった？」
『……ごめんなさい、』
渡辺「謝って欲しいんじゃないんだよ。心配じゃん、普通に。だってメンバーだし」
『………そう、ですよね』
渡辺「今まで冷たい態度取っててごめんな？嫌いとかじゃなくて、俺が子供だった」
『……え、いや、そんなことは』
渡辺「本気なんだな、って思ったんだよね。覚悟が足りないのは俺の方だった。
でさ、連絡先も教えて欲しいし、っていうか何も知らないし、色々、教えて欲しい」
『…喜んで、僕も、翔太くんのいろんなこと知りたいです！！』
渡辺「なんか、綺麗な目してんね」
4日間、全力で走り抜けた。
うたは足と腰の古傷を痛めたらしく、公演ごとに痛み止めの注射を受けていた。
それでもやっぱり辛いみたいでMCで抜けたりソロコーナーのバックを休んだりした時もあったけど。
むしろ無理だって言ってくれる方が結構嬉しかったよね。
深澤「うた、ソロまで時間無いけど、いける？」
阿部「なんかね、足動かないって」
深澤「マジ？」
佐久間「休んだ方がいいんじゃない？ソロ曲は今日お休みにしてさ」
『………いやっ、それは、ダメ、だから』
深澤「ダメじゃないよ？」
渡辺「やって来なよ」
阿部「翔太、無理だって」
渡辺「やりたいんでしょ？やらなきゃ自分のプライドが許さないんでしょ？ここまで来たからには全部出たいんでしょ？」
『……うんっ、』
渡辺「行けるって、大丈夫。終わった後にどんだけ泣いてもいいから、残ってる力全部出してきなよ」
『行ってくる』
渡辺「そうでなきゃ」
照の後にソロ曲、自作曲を踊るらしい。
自分だってダンス出来るんだぞってところを見せたかったとか。
結構熱い男だよね。
阿部「なんか、翔太に負けた気がしない？」
深澤「だよね。知った感出されたの悔しい」
渡辺「急ピッチで今までの時間の穴を埋めてますから」
阿部「まぁ、悪いことじゃないけどね」
深澤「そう、それは分かってるんだけどさ」
渡辺「お前らうたの何者だよ」
阿部「保護者？」
深澤「ママ？」
渡辺「狂ってんな」
ここが俺らのスタートだとして、傍から見たらあんまりいいものでは無かったかもしれない。
うたの状態が万全じゃなかったからね。
でもいいよ、その方が俺ららしくて。
ここで一緒に生きてくれるなら、それ以上の幸せは無いよ。
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作者名：Radu | 作成日時：2021年6月7日 21時
