10人目の居場所は、ここに。ー3ー (ページ2)

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生きる場所は、ここに。　ー加入ーページ2

Hauta side

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2016年

まだ冬を引きずった2月のこと。

突然嵐のようにやって来た彼らは僕にこう告げた。

「葉歌AをSnow Manに加入させる、これが上からの連絡だ」

名前も知らない事務所の偉い人はそう言って1枚の紙切れを差し出した。

時計の短針が動く音が何度響いても、僕は返事が出来なかった。

「これは決定事項だからな。今から嫌だと言ったって変えられない。悪い話じゃないだろう？」

悪い話か良い話かは僕が決めることだろう、そう思ったけど2年も事務所を離れていた僕には抵抗する力も口実もなく。

活動休止を世間に公表したのが2014年の夏ごろ。

それからの2年間は佐久間くんとか深澤くん宮舘くんとかが度々ウチに遊びに来てくれて、何とか生きていられたような生活だった。

何もしたくなくて1日を縁側に横たわって過ごした日は何度もあった。

ご飯の食べ方も分からなくなって、喉を通らなかった。

常に誰かが僕を嘲笑うような声が聞こえた。

眠れないだけの夜は憂鬱だった。

その全てが改善したわけじゃないけど、ちょっとだけ仕事に戻りたいかもって思うようになった頃を見計らうように事務所の人はやって来た。

グループで活動するということに興味がなかったわけじゃない。

けどSnow Manに入れてもらえるほどの力量がある人間だと自分のことを過信したことはないし、6人で成り立って成功しているところに何故僕が入らなくてはならないのかまるで分からない。

『………それは、みんな、の、意見、なんですか？』

「聞いていた通りの面倒な奴だな」

『……え、』

「どうせ頭ごなしに抵抗するだろうから、何とか説得して来いって言われたんだよ」

『………そんな、こと、しませんっ、』

「じゃあ喜んで加入するのか？明日から一緒に活動する気はあるのか？」

『……いや、それは、』

「そもそもお前の活動休止がここまで長引いてることで尻拭いをさせられてる人間がたくさんいるんだよ。
そこんとこ分かってる？もう子供じゃないんだから駄々こねられないんだよ」

『いつかは、もどろうと、思っていました、』

「いつかいつかってもう2年になるよ？いい加減仮病も辞めたら？仕事が面倒になっただけでしょ」

『……ちがいますっ！！』

「まぁいいよ終わった話は。それで、やるよな？俳優の仕事は今まで通りやらせてやるから」