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Fukazawa side
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泣いてるから見ないで、そう言って真っ赤な顔を隠すうた。
それ見てたら安心しちゃって、俺まで号泣よ。
あの少年がここまで大きくなったし、いろんなもの抱えてるし、それでもこうやって、一緒にいてくれるし。
ねぇ、俺らはさ、永遠にうたの隣に立ちたいの。
前でも後ろでもなくて、横じゃなきゃダメなの。
『………決めた、ちゃんと、決めました』
岩本「聞かせて？」
『……サマパラは、お休みさせてください』
深澤「それがいいよ、早く治しちゃお」
『Jr.祭りは………、同じステージに、立たせて下さい』
ラウ「……うたくんっ、」
渡辺「もう、ほんっとに、心配したんだからなっ、」
向井「待って、みんな泣かへんで！！！もうあかんわ！！！」
阿部「よかったよ、本当に」
『ごめんなさい、心配おかけしました。早く治すんで、待ってて頂ければ……』
目黒「焦らないでね」
佐久間「ゆっくりでいいよ、大丈夫、何とかなるよ」
宮舘「俺らはずっと待ち続けるからね」
『………うん、もう、二度と、こんなこと言わない、』
岩本「ほんとだよ、俺ら昨日とか全然眠れなかったんだからね？」
佐久間「いやぁ夜更かししちゃったよ」
渡辺「佐久間はいつも通りだろ」
うたが少し辛そうに呼吸をし始めたのを見計らって電話をやめる。
画面の向こうでは酷い過呼吸を起こして、それでもスッキリした顔をしているうたが酸素マスクを付けられて寝ていた。
"悪い夢なら醒めて"
"何をして生きていればいいの"
"無駄だよ、全部最初から、無駄だったんだよ"
"僕は、みんなと一緒に生きていけない"
"もう、全部やめたい"
"生きて、ただ生きて、それにどんな価値がある？"
"ジャニーズを、辞める"
5年前のうたの言葉が鮮明に蘇る。
その記憶の海に溺れそうになるけれど、もっと辛いのはうただ。
言いたくも無い言葉と、聞きたくも無い言葉で埋め尽くされた世界で、必死にもがいていた証拠だ。
あれからうたは変わった。
ずっと強くなって、ずっと輝きが増した。
俺らはどうだろうか。
変われただろうか。
彼を守れるだろうか。
少なくとも言えることは、葉歌Aと共に生きるに値する人間になれたということだろう。
それだけで、十分だ。
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作者名：Radu | 作成日時：2021年5月21日 22時
