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Hauta side
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温泉、ちょっとイヤだな。
そんなことをメンバーの前で言えるわけもなく。
ちゃんと謝らなきゃ。結局隠そうと思ってたけど、車酔いも足が痛いのも全部バレちゃったし。
そのせいでみんな頭の片隅、僕のことで支配されちゃってるでしょ？
それが申し訳ないから、ちゃんと教えてくれって言われても、嘘ついちゃう。
あぁ、痛い。
右膝に太い針を刺されているような、ふくらはぎに重りが付いているような、足首が鈍器で殴られているような、そんな断続的な痛みが続く。
昨日みたいな雨の日に家で布団にくるまって耐えるのには慣れたけど、メンバーに心配顔で覗かれるのはやっぱり慣れない。
次々にタオル1枚になって温泉に入るみんなに待ってと言えるわけもなく、だってみんな楽しそうだもん。
ノロノロとした動作で浴衣を脱ぐ。
阿部「うた？行かないの？温泉はやめとく？入ると疲労回復とかになると思うけど、気持ち悪いし怖い？」
『いや、入りたい、けど』
阿部「あぁ、手術の痕？だよね、そうだよね、ゴメンね俺ら全然考えてなかった」
『ううん、先に言わなかった僕が悪いし、温泉の中でそんなに目立たないだろうから、大丈夫』
極寒風呂は多忙のため欠席って形にしてもらったけど、今日は卒業企画だし、来たかったし。
10代で背負うには多すぎた練習量がこの体を狂わし、右足と腰には沢山の手術痕と傷跡がある。
まるで "キズモノ" "欠陥品" と言われてるみたいで、この傷を見る度に憂鬱になる。
ちょっとだけだとしても、それが映ってファンの方に見られちゃったら？
きっと気持ち悪いって思われる。ただでさえ、
阿部「大丈夫、もしも映っちゃっててもファンのみんなは幻滅しない。それはうたが頑張ってた証だもん、怖くないよ」
『ん、行く、温泉入ろ』
阿部「そうだね、あぁ楽しみだなぁ！」
『阿部くんずっとウキウキしてたもんね』
阿部「だって温泉だよ？しかもみんなで入れる、卒業企画、こんな嬉しいことが揃い踏みなのってなかなかないよ？」
みんなで入れる、そこを強調する阿部くんはやっぱり優しい人だ。
そんなみんなに甘えて、今日も生きている。
本当によかった、こんな幸せな空間にいられて。
深澤「ちょっとー！！うた遅いよ！」
向井「めめが拗ねてゆでだこになってんで！」
目黒「なってねぇし」
ラウ「拗ねてたことは認めるんだね」
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作者名：Radu | 作成日時：2021年5月21日 22時
