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Miyadate side
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普段は表情豊かな彼の感情を何一つ読み取れなかった。
沈黙はきっと肯定を意味していて、その間にも小さな怒りが湧いてきたことを隠すつもりはない。
ただ、俺はうたを勘違いしていた。
問い詰めるような口調と眉間に寄った皺を感じたのか、うたの両手が次第に震える。
着ていたTシャツのみぞおち辺りをギュッと掴んで、クシャクシャになった。
上がる呼吸、下がる視線、彼の悩みの種を掘り当ててしまったみたいだ。
宮舘「ゴメン、言い方が悪かった。もしもこのことを俺らに教えてくれるなら、聞かせてほしい。責めてないから、抜け駆けとか思ってないから」
『………っ、ごめん、なさい……、今までっ、言わなくて、』
宮舘「いいよ、怒ってないから、ね？最近悩んでたのはこれのことだった？
なら、気付いてあげられなかった俺らの方が悪いよ」
『……違う、それは、違うよ？でも、いつか、言おうって思ってて。今日、舘さんがウチに来てくれるって聞いて、ちょっと、ホッとした。全部……っ、喋れるかな、って』
宮舘「なんでも聞く、うたが悩んでるなら尚更」
『冷めちゃうから、食べながらでも、いいですか、？』
宮舘「勿論」
通る車の音だけが聞こえる中、うたは1品1品に感想を言いながら丁寧に食べてくれた。
量としては少ないけど、それでも安心。
『あの、ね。さっきのあれの話なんだけど、っ、』
宮舘「ゆっくりでいいよ」
『今までの、haUta名義で出したボカロ曲って、結構人気だったみたいで。勿論再生回数とかで何となく分かってたけど、実感湧いてなくて。特に海外の人から人気あるんだって』
宮舘「そうだね、英語のコメントだらけの曲も多いよね」
『………それで、今までの曲をまとめた、アルバムを出さないかって。しかも、っ、セルフカバー、で、』
宮舘「つまり、全部の曲をうたが歌うってこと？」
『……うん。今までは自分が歌う場所はSnow Manだって思ってたからボーカロイドでしか出してなかったし、正直この活動ももうやめようかなって思ってた』
宮舘「どうして？もったいないんじゃない？」
『よく、言われる。ボカロ曲は出すのに、自分のグループのための曲は作らないでグループに還元できない、だなんて、』
宮舘「誰が言ったの？エゴサ？」
『……そう、だけど』
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作者名：Radu | 作成日時：2021年5月21日 22時
