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Miyadate side
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かなり散らかってるけど、ゴメン。
そう予め宣言していた通り、うたにしては珍しく仕事の書類や機材や楽器までもがリビングに広がっている。
そしてソファの上に乱雑に畳まれた毛布、ここ何日かここで眠っていたのは明らかだろう。
買った食材を入れるために冷蔵庫を開けば、飲み物しかないという有様。
『なんか、酷いよね』
宮舘「酷いね」
『色々、気が回んなくなってて。っていう言い訳ですね』
宮舘「忙しかったからね、しょうがないよ」
『仕事のものは3階から持ち出したくなかったんだけどさ、』
宮舘「3階まで行く気力がなかった、もしくは3階に行ってしまえば寝そうだった」
『両方ですね』
宮舘「うたは座ってて、夕飯適当に作るから」
『いや、僕も、』
宮舘「いいってゆっくりしてな？」
『あ、じゃあ、ちょっとシャワー浴びて来てもいいですか？今日、めちゃくちゃ汗かいたから気持ち悪くて』
宮舘「全然いいよ、普通にお風呂入って来ちゃえば？」
『あーそうしようかな。明るいうちから入るお風呂って背徳感あって好きなんだよねぇ』
宮舘「分かるよ」
3階に登って行くうたを見送ると、夕飯の支度に取り掛かる。
今はちょっと回復したとはいえ、さっきまでは酷い腹痛に魘されていたうたにガッツリした夕飯を食べさせるつもりはないし。
ご飯は梅粥にしよう、後はレタスを丸ごと1個買ったしレタスしゃぶしゃぶにでもしようかな。
勝手知ったるキッチンで料理をしながら見えるダイニングテーブルにも沢山の資料が散らばっている。
準備が出来る前に少し整えておこうか、そう思って見えた一番上の資料の文字を読んで衝撃を受ける。
不安、と言うべきか。
嬉しい、と言うべきか。
どっちつかずの感情を消化できないままに、お風呂上りのうたが戻って来てしまった。
『うわぁ、いい匂いだね』
宮舘「………うた……、これのこと、聞いていい？」
英語で書かれた資料、勿論それは読めない。
けど貼られた付箋には、アメリカでCDを発売する、そんな文字が書かれていた。
デビューの一言で喜んでいた俺らの、先を行く人間だということを、頭のどこかで忘れてしまっていたのかもしれない。
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作者名：Radu | 作成日時：2021年5月21日 22時
