10人目の居場所は、ここに。 (ページ34)

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Miyadate side

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宮舘「寝てていいからね」

『……あ、家に全然食材ないから今日買いに行かないとって、思ってた』

宮舘「じゃあ家に着いてから俺が買いに行くよ」

『ううん、それは申し訳ないから、一緒に行きます。このまま帰る途中で』

宮舘「もう大丈夫なの？」

『さっきより良くなった』

頭痛に腹痛、ストレスが原因だとしたら仕事にあるのかな。

しばらくしてスースーと寝息を立てながら無防備に眠る彼を見ながらそう考える。

いつまで経っても時々出る敬語が抜けないような人。

周りのことばっかり見てて、自分のことを疎かにしがちな人。

そして何より、努力の人。

だからこそ俺らはうたのことが好きだし、満面の笑みをいつも見ていたいって思ってる。

すぐに体調を崩す自分の体が嫌いだ、何で体調管理すら出来ないんだろ、そう言って自分を責めるうたはもう二度と見たくないからね。

宮舘「うた、着いたよ」

『あ、あれ、お金は、』

宮舘「払っちゃったよ？」

『あー！ごめんなさい、僕の家に来てもらうのに』

宮舘「いいって。その分、今日はうたの家の広い台所で腕を振るわせてもらうからね」

『それも、申し訳ない気がする……』

うたは庶民的な生活が好きだ。

それは彼の祖父母に育てられたことも影響しているのかもしれない。

その野菜はこの前より高いから買わない、これはセットで安いから買っちゃおう、そんな主婦みたいな会話をしながら買い物を済ませた。

うたの家にはもう10回以上来てるけど、都内の一等地に立つこの古民家には毎度驚かされる。

味があって、うたが過ごした歴史もあって、この家に来ると帰ってきた！って感じがするのはなんでだろ。

『舘さん、お帰りだね』

宮舘「ただいま、なのかな？」

『ただいまだよ。おうちがそう言ってる』

宮舘「じゃあただいまだね。いつ来てもいいお家だよね」

『手入れとかは専門の人に任せちゃってるけど、それでもこのおうちは大事にしたいからさ』

宮舘「いいことだよ」

広い3階建ての家

勿論お庭も縁側もあって、ここが都会だってことを忘れるほどの美しさ

1階にはリビングダイニングとキッチン、2階がうたのおじいさんとおばあさんの部屋で、3階はうたの部屋と客室用の部屋がある。

料理好きの俺からすれば、レトロな白タイルと暖かい照明に囲まれたアイランドキッチンほど居心地のいいものはない。