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Raul side
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右側を宮舘くん、左側を僕という歪な身長差でAくんを囲む。
自分では歩いているつもりなのかもしれないけど、ほぼ僕たちに支えられるような形でエレベーターに乗り、駐車場まで歩く。
待っていたマネさんもあまりのAくんのぐったりな様子に開いた口が塞がっていない。
宮舘「突然呼び出してごめんね、うたを頼みます。撮影までまだ時間ありそう？家帰れる？」
「帰る時間はあるけど、先に病院の方がいいかも。睡眠薬と抗不安薬だっけ？無くなってきたって言ってたから」
宮舘「うたー？その話聞いてないけど？無くなってきたら仕事休んででもちゃんと貰いに行くんだよって言ったよね？」
『……はーい』
「珍しく不貞腐れてんね。じゃあ、ありがとなここまで」
宮舘「いえいえ、お気を付けて」
Aくんを乗せた車が見えなくなると、今来た道をまた戻る。
ラウ「Aくんっていろんな薬飲んでるんですね」
宮舘「元気な時は全然問題ないんだけどね。忙しい時は色々飲んでるかな」
ラウ「さっきも、ケースみたいなのに沢山入れてて」
宮舘「でも、あんまり気にしないであげてね。特別扱いされるのが一番嫌いだから、普通に接してあげて」
ラウ「はい！」
宮舘「ラウはうたのことが大好きだよね」
ラウ「……え？バレてました？」
宮舘「なんとなく気付いてたよ。稽古の時とかずっとうたのこと見てるし、好きなんだろなぁって」
ラウ「………恥ずかしいです、」
宮舘「うたは結構人見知りするし、愛情表現下手だけど、ラウールのことも大事にしてると思うよ」
ラウ「え！！ほんとですか！？」
宮舘「前に飲みに行った時に言ってた、ラウールのダンスが好きだって。あんな自由に俺も踊ってみたいな、ってちょっと羨ましそうだった」
憧れとは、一生追い続ける背中であり、
同時にライバルになり得る存在なのかもしれない。
ラウ「僕、いつかAくんのことを追い越して、もっと羨ましがらせます！！嫉妬させます！」
宮舘「その言葉うたが聞いたら喜ぶね」
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作者名：Radu | 作成日時：2021年5月21日 22時
